ギリシャの路上からNBA制覇へ ヤニス・アデトクンボの「アメリカン」ドリーム
ミルウォーキー・バックスを50年ぶりのNBA制覇へと導いた、ナイジェリア系ギリシャ人のNBAプレーヤー、ヤニス・アデトクンボ(Giannis Antetokounmpo)が、さらに注目を集めている。現在、26歳のアデトクンボの過去の葛藤と成功への軌跡とは。
◆NBA制覇とMVP
米国時間の7月20日、NBAファイナルの第6戦が開催。ウィスコンシン州のチーム、ミルウォーキー・バックスが地元のコートにて、対戦相手のフェニックス・サンズを105対98で破り、1971年以来50年ぶり、2度目となるリーグ制覇を成し遂げた。この試合で、アデトクンボは50得点を決め、ビル・ラッセルNBAファイナルMVPを獲得した。アデトクンボは、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)、ハキーム・オラジュアン(Hakeem Olajuwon)と並び、レギュラー・シーズンのMVP、ファイナルのMVP、最優秀守備選手賞のすべてを受賞した史上3人目の選手となった。
NBAファイナル第6戦でアデトクンボは50得点(後半33得点)を挙げ、チーム全体の47.6%を占めた。この記録は、NBAファイナルの試合史上において6位タイとなる高比率だ。試合後の記者会見では、両親のルーツであるアフリカ大陸にとって、シーズン制覇とMVPのタイトルの獲得がどのような意味を持つかといった記者の質問に対して、「両親の出身国であるナイジェリア、そして母国であるギリシャ、さらにはアフリカ大陸、ヨーロッパ大陸全体における子供たちにとって、自分はロールモデルである」と回答した。また、落ち込むことがあったとしても、他人に可能性を否定されたとしても、自分の夢を信じて突き進むことが大事だというメッセージを発信した。
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