孤立は回避 韓国にとっての米韓首脳会談の意義

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 ワシントンDCで21日、バイデン大統領と韓国の文大統領との対面での首脳会談が実施された。バイデン大統領が対面で会うのは菅首相に次いで文大統領が二人目となったが、同会談ではどんなことが話され、共同声明では何が明記されたのだろうか。ここでは大きく二つのポイントを紹介したい。

◆孤立を恐れ米国に歩み寄った韓国
 まず、米韓首脳会談の共同声明では、中国が名指しで非難されることはなかったが、台湾問題の平和的解決や日米豪印によるクアッドの重要性が盛り込また。米中対立が深まるなか、これは米国が望んでいることでもあり、バイデン政権も韓国が歩み寄ったと一定の評価をしていることだろう。米国は、韓国が十分に協力姿勢を見せないことにこれまで強い不満を抱いてきた。

 一方、文政権にも焦りがあったに違いない。昨年の10月には東京で日米豪印の4ヶ国による外相会合クアッドが開催され、バイデン政権になっても3月にバイデン大統領が主催する形でクアッド会合が実施された。新型コロナの感染拡大以降、このクアッドをめぐる動きは本格化している。また、英国やフランス、ドイツなど欧州先進国もインド太平洋を重視する姿勢を鮮明にし、空母や艦隊をインド太平洋に派遣しては自衛隊や米軍と合同軍事演習を行うなど、クアッドプラス(日米豪印+英仏独など)の結束も強くなっている。

 米国の同盟国にもかかわらず、韓国はこの流れのなかに入ってきていない。しかし、国内の保守派からの批判が高まり、支持率も低下している文政権には、これ以上の孤立を避けなければとの焦りや危機感があり、それが今回の共同声明につながったと思われる。日韓関係は別として、韓国もインドやオーストラリア、英国やフランスから安全保障的な疑念を抱かれたくないはずだ。

Text by 和田大樹