睡眠時無呼吸、新型コロナ感染・重症化のリスク高める可能性
睡眠中に気道が塞がれると、ひどいいびきが続いたり、呼吸が一時的に停止したりすることがある。慢性的に続くと閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)と診断されるが、実は多くの人々は医師からの診断を受けておらず、自覚していないことも少なくない。隠れた罹患者が多いこの病気は、厄介なことに、新型コロナウイルスへの感染リスクを高めてしまう可能性が指摘されている。
◆気道が閉じて無呼吸に
OSAは特別にめずらしいものではなく、世界で約10億人の成人が患っていると推計されている。およそ8人に1人が罹患している計算であり、未成年の有症者も含めると割合はさらに上昇すると見られる。学術誌の『スリープ・アンド・ブレシング』に掲載された論文は、睡眠中に上気道、すなわち鼻と口付近の筋肉が弛緩し、呼吸が中断してしまう症状だと解説している。胸部は運動し肺は呼吸しようとしているが上気道が閉じている状態であり、このため「閉塞性」睡眠時無呼吸と呼ばれる。
問診に答えるだけで診断が可能だが、中等度以上の罹患者のうち、男性の8割以上、女性の9割以上が診断を受けていない。自分には関係のない話だと思っていても、実はOSAを患っていた、ということも十分にあり得る話だ。呼吸の阻害によって低酸素状態となり、頻繁な覚醒が誘発される。とくにいびきや日中の疲労感に悩んでいるという方は、医師の診断を受けると良いだろう。
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