「移住で年間100万円あげます」イタリアの村の募集に応募殺到

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 人口減少と高齢化に悩むイタリアの村が、昨年10月に寛大な現金給付つきで移住者を募集したところ、国内外から村の予想をはるかに上回る応募があった。企画した村長自身も驚くほどの反響で、人々の田舎暮らしへの関心の高さをうかがわせた。イタリアでは過疎に悩む自治体が多く、国を挙げてさまざまな取り組みが行われている。

◆至れり尽くせり 過疎地で夢の再スタートを
 移住者募集で注目を集めたのは、イタリア南部の小さな山村、サント・ステーファノ・ディ・セッサーニオだ。歴史的な遺産を持つ風光明媚な土地だが、存続の危機に瀕している。募集当時の人口は115人で、そのうち65歳以上が41人、20歳以下は13人しかいなかった。(英インデペンデント紙

 村長は村の立て直しのため、移住者の募集を決めた。18歳から40歳で犯罪歴がないこと、村に最低5年は居住すること、村でビジネスをすることを条件に、移住してくれれば年額8000ユーロ(約105万円)の補助金を3年間与え、破格の安さで住宅も貸し出すと発表。さらに村議会も、移住者がビジネスを始める際に、2万ユーロ(約263万円)までを分担金として支払うことを決めた。(同)

 英タイムズ紙によれば、村は20人の受け入れを想定していたところ、2万7000人の応募が殺到。なかには遠くアルゼンチンやロシアからのものもあったという。同紙は、コロナ禍で人々が都会の生活に疲れてしまったことが人気の理由ではないかと見ている。村長は、人々が自分の価値観を見直し、人生のコントロールを取り戻し、本物を求めた結果だと話している。

Text by 山川 真智子