レバノン大爆発、モーリシャス座礁、回避できたかもしれない船舶登録規制
この約1ヶ月で、船に関する大災害がたて続けに2件発生した。そしてどちらも人災である。防ぐことができたかもしれないこの二つの事故について、何が原因だったのか。また、今後このような事故を防ぐためにできることはあるのだろうか。
◆ベイルートの爆発事故
レバノンの首都ベイルートで8月4日発生した大規模な爆発は、少なくても200人以上が死亡、5000人が負傷、30万人が家を失い、そして150億ドル以上の被害をもたらすという大惨事となった。6年以上も倉庫で不適切に保管されていた2700トンにもおよぶ硝酸アンモニウムに引火したことが原因だと言われている。そして爆発は広島に投下された原爆の10%と同等の爆発力があったと推定された。
そもそも、なぜ大量の硝酸アンモニウムが港にあったのか。モルドバ籍の貨物船「ロサス(Rhosus)」は、2013年9月にジョージア州バトゥミからモザンビークへ向かったが、追加の貨物を運ぶように命じられたため予定外のベイルートに寄港した。そこで複数の欠陥が発見され、再出航することができなくなった。その際、港湾当局が硝酸アンモニウムを押収した。ロサスは放棄され、レバノン当局はその貨物を港の倉庫に移した。 2015年、船は桟橋を1000フィート上に移動させられ、約3年間そこに留まった。しかしロサスの水漏れがひどくなり、2018年2月に沈み始め、そして数日内に船は完全に沈没した(ニューヨークタイムズ紙)。
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