トランプ政権、オンライン授業の留学生に帰国命令 州や大学反発
新型コロナウイルスによる影響で、アメリカ各州では現在来る学校再開について盛んに議論されている。大多数の生徒が自宅から通う高校まではともかく、一番大きな問題となっているのは、キャンパスの規模が大きく、世界のさまざまな場所から大勢の学生が集い、クラスの規模が大きく、そして一緒に寮生活をすることも多い大学である。
◆オンライン授業のみの場合は帰国を命令
現在アメリカの大学の大半は夏休み中で、夏期クラスを受ける学生以外はキャンパスにおらず、留学生のなかには自国に帰省している人も多い。大学留学生の場合はF-1ビザ、専門学校の場合はM-1ビザという学生用ビザを取得してアメリカに滞在するが、新型コロナウイルス感染拡大予防のため多くの大学で3月から授業がオンラインに移っていた。今回の政府の命令により、留学生のビザの有効性が危うくなっている。
ABCニュースによると、トランプ政権は7月初旬、各大学に対して、新学年が始まる秋学期のクラスをすべてオンラインで行う場合、留学生は出国するか、またはキャンパスで開催されるクラスのある大学に転校しなければならないという新しいルールを通達した。大学側がオンラインで授業を開催しているのは新型コロナウイルス感染予防策としてである。同記事によると、トランプ氏はオンライン授業が経済改善の妨げになると考えているという。11月に大統領選を控える同氏としては、教育や経済を含め、日常生活が通常に戻っていないという事実は、自分自身の新型コロナウイルス感染対策の失敗を認めるようなものだろう。
同記事によると、アメリカには現在約100万人の外国人留学生がいるという。アメリカの大学では公立校の場合、州外から来た学生は州内在住の学生より数倍多い授業料を支払っており、留学生の多い大学ではこれが貴重な財源になっていることが多い。ABCニュースによると、留学生の多い名門私立大学のハーバード大学とマサチューセッツ工科大学は学生ビザを発行する移民局が属する国土安全保障省を提訴。記事によると、ハーバード大学の学長は、「(トランプ政権からの)命令は何の通知もなく突然来た。残酷であり、それ以上に無謀だ」「学生や職員の健康などお構いなしに、秋学期にキャンパスで授業を行わせるためのプレッシャーをかけるために故意に発令されたものだ」と語っている。
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