BLM運動で盛り上がる「ジューンティーンス」とは 連邦祝日化も

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 アメリカで白人警察官による過剰な武力行使で黒人市民が死亡する例が続出するなか、各都市ではいま「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動が勢いを増している。そんななか、同国では「ジューンティーンス(Juneteenth)」と呼ばれる「黒人奴隷解放の日」が祝われた。これまではアメリカ国内でも黒人以外では知る人が少なかったこの日が、大きな注目を集めている。
 
◆テキサス州の黒人奴隷が解放された日
 「ジューンティーンス」とは、「ジューン・ナインティーンス(6月19日)」の月と日を繋げ、「ナイン」を省略した造語だ。『juneteenth.com』によると、南北戦争終結後の1865年6月19日、北軍のゴードン・グランジャー将軍がテキサス州ガルベストンに到着し、まだ解放されていなかった現地の黒人奴隷を解放した日である。つまり、当時のアブラハム・リンカーン大統領が南北戦争中の1862年9月22日(翌1863年1月1日施行)に行った「奴隷解放宣言」とは異なる。同サイトによると、テキサス州には北軍兵士がほとんど駐留しておらず、住民の抵抗が強かったことから、リンカーン大統領による奴隷解放宣言の効力が小さかったという。

 この日が重要な日とされている理由は、テキサス州に最後まで残っていた黒人奴隷たちがようやく解放されたことにある。その割には最近まであまり知られていなかったジューンティーンスだが、今年に入って数々の人種差別事件と、その後BLM運動が全米に拡大したことから急激に注目が集まっている。CNBC(電子版)によると、ツイッターやスクエア、ナイキなどの大企業では6月19日を会社の有給日として扱うことを決定。またUSAトゥデイ紙(電子版)によると、アッシャーやテイラー・スウィフト、ファレルなどのセレブリティは、この日を連邦祝祭日とすることを奨励している。NBCニュースによると、ジューンティーンスは1980年にテキサス州の祝日になって以来、現在は47州とワシントンD.C.で州の祝祭日として制定されている(筆者の住むハワイ州はその限りではない)。今年6月19日には民主党のコリー・ブッカー上院議員やカマラ・ハリス上院議員らが提出した議案により、今後ジューンティーンスが連邦祝祭日となる可能性も高い。

Text by 川島 実佳