新型コロナ:郵便物はどう扱うべきか? 配達側も対策
キャシー・ペイン氏には日課となっていることがある。それは配達前に郵便物が入ったトレイを念入りに拭くことだ。そして、手袋を着用して手紙や小包の仕分けを行い、配達車両に乗り込む際には新しい手袋を用意する。
郵便受けへの配達は朝から丸一日続き、新型コロナウイルス対策になればと、しきりにハンドルを拭く。
封筒が「どこから送られてきたのか、これまでに誰が触ったのか、私たちにはわかりません。わからないということが恐ろしいのです」と、ペイン氏は話す。
テネシー州ロックウッドで郵便配達員として30年間働いてきたペイン氏もほかの同業者同様、新型ウイルスの感染から自分を守ることに挑んでいる。小包の受け取りサインを省略する、またはドアベルを鳴らす代わりにドアをノックする、などの取り組みがある。
COVID-19を引き起こすウイルスが封筒や小包の表面に残り、それを取り扱った人に感染する可能性は非常に低いと保健専門家は指摘する。また一方で、配達物を触った後に顔を触ることは避け、手洗いを行うよう呼びかけている。アメリカ国民がウイルス拡散のリスクを減らすために自宅に留まるなか、配達物への安全性はより重要視されている。
チャタヌーガから北へ113キロメートルほどの町で、ペイン氏は毎日800軒を超える家へ郵便物の配達を行っている。郵便局はドアノブを頻繁に拭いており、配達員には十分な量の手袋が支給されているという。しかし、「私たちにとって最大の問題は、郵便局は手指用消毒ジェルを確保できておらず、支給がないことです」と同氏は述べる。
>次のページ 「ウォルマート」へ行き、消毒用ウェットティッシュ12缶を買い込んだ…