「ありえないほどキュート」都市型EV『ホンダe』、英国で発売前から話題

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 ホンダは今年、5ドアハッチバックEVの「ホンダe」を、日本を含む世界複数の市場に投入する。振り返れば同社は1997年からの数年間、わずか300台少々の規模で「EV Plus」を販売していた。それから約20年の時を経て、ついに同社初の量産型EVが登場することになる。欧州では今夏発売を予定しており、イギリスではそのキュートな容貌と優れた実力が好意的に取り上げられている。

♦︎かわいいデザインで好感度上昇
 英BBCの自動車番組「トップ・ギア」(1月27日)は、「ホンダ初のEVはありえないほどキュートで、エンジニアリングも素晴らしく、そしてこれでもかと技術が詰め込まれている」と褒めちぎる。本モデルは2017年の東京モーターショーで披露されたUrban EV Conceptを量産モデルに昇華させたものだが、記事はコンセプトカーからの進化を「Urban EV Conceptは伝説となり、伝説はプロトタイプとなり、プロトタイプは小さくて魅力的、かつスズキ ジムニー以来最も手に入れたいと思うような車となった」とまるで壮大な物語のように表現する。難点を挙げるなら価格だろうか。そのボディサイズに反して値段設定はコンパクトというわけではなく、2万6160ポンド(約359万円)からとなる。記事は「……ただしそれなりの対価が必要だが」とこぼしているものの、それでも総合評価は10点満点で8点と良好だ。

 デザインは英オート・カー誌(1月27日)にも好評で、「とっても親しみを持てて、有能かつダイナミクスに優れたスモールカー」だと言わしめている。ただし同誌も強気の価格設定には不満があるようで、その点を記事はしっかりと指摘している。一方で記事に対する読者の声としては、価格はとくに気にならないという意見もあった。かわりにレッグスペースとトランクの狭さを懸念する声が複数出ており、街乗りには最適だが週末の買い溜めには使えないのでは、という書き込みが見られる。かなり具体的な使用シーンを想定した読者同士のディスカッションが弾んでいることから、可愛らしいデザインに惹かれた人々が続々と購入の候補に入れ始めているのかもしれない。

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Text by 青葉やまと