クルーズ船の感染対策、何が問題だったのか? 指摘される“甘さ”
クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客に対する14日間の船内隔離が終わり19日に乗客の下船が始まったが、18日までに延べ2404名中542名が検査で陽性となっている。中国を除けば最も多い数字で、隔離の方法に問題があったという見方が出ている。
◆検疫官まで感染 考えが甘かったのか?
APは、ダイヤモンド・プリンセス号は感染拡大を防ぐ隔離施設ではなく、もはやウイルスの培養器のようだと述べる。日本政府は、隔離は有効だと繰り返し述べているが、船内に入った検疫の担当者ら3人が感染したのは、その手順がいい加減だった印ではないかとし、対応に厳格さが足りなかったという専門家の見方を伝えている。
英キングスカレッジの感染症発生の専門家、ナタリー・マクダーモット氏は、隔離は適切にやれば有効だと述べるが、今回は失敗だったと見ている。船内での隔離策がどのように実施されているのか、空調設備はどのようになっているのか、キャビンはどのようにつながっていて、廃棄物はどのように捨てられているのかなどを把握する必要があるとAPに話している。
新型ウイルスは飛沫感染で広がっていると思われるが、ウイルス拡散のメカニズムは正確にわかっておらず、その他の感染経路がある可能性も同氏は指摘している。2002年から2003年にかけて広がったSARSのときには、香港で欠陥のある下水設備を通じて300人以上が感染した。同様の問題がダイヤモンド・プリンセス号にもあったかもしれないとしている。
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