ファーウェイ事件の報復か 中国によるカナダ人拘束、430日以上に

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 2018年末に中国通信機器最大手ファーウェイの孟晩舟副会長兼CFOがカナダ当局に逮捕された。その数日後にカナダ人2人が中国国内で拘束され、国家機密窃取の罪に問われ現在も拘置所生活を送っている。この事件は孟氏逮捕に対する報復とみられ、米中に挟まれたカナダを困らせている。

◆突然の拘束、2人の市民が巻き添えに
 孟氏はメキシコに向かう途中の乗り継ぎ地だったバンクーバーで2018年12月1日にアメリカの要請で逮捕された。アメリカはイランとの違法な取引に関わったとして孟子を起訴し、「犯罪人引渡協定」を結んでいるカナダに身柄送還を求めている。引き渡しをめぐる審理は1月20日に始まり、今後孟氏が無罪を勝ち取れるかが注目されている。

 孟子が逮捕された後の12月10日に、中国はカナダ人のマイケル・コブリグ氏とマイケル・スペーバー氏を拘束した。コブリグ氏は外交官で、休職して非政府団体、国際危機グループの活動に加わっていた。スペーバー氏は起業家で、元NBAプレーヤー、デニス・ロッドマン氏の北朝鮮訪問を手配したことで知られている。

 カナダのトルドー首相は、拘束は「恣意的」だとして2人の解放を訴え、世界十数ヶ国の政治家や国際機関も解放を求めているが、拘束はすでに430日以上続いている。

Text by 山川 真智子