「完璧な料理」ふわとろ卵のオムライス、海外で注目度上昇中

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 子供の頃からの大好物という人も多いオムライス。洋食店のメニューには必ず載っており、いまではさまざまなバリエーションも増えたことから、訪日外国人にも注目される日本の味となっている。なかでも半熟に仕上げたオムレツを乗せたふわとろオムライスが数年前から人気上昇中だ。

◆和と洋の融合、オムライスは完璧料理!
 国立国会図書館のレファレンス協同データベースによれば、「オムライス」という言葉は、「オムレツ」と「ライス」が合体した和製語で、日本独自の料理だ。「発祥の地」とされる店はいくつか存在し、有力とされるのが、東京の銀座にある「煉瓦亭」と大阪の心斎橋にある「北極星」だという。「煉瓦亭」では、従業員用のまかない料理だったが、1900年頃、店が忙しかったためコックが鍋を動かしながら片手でスプーンを使って食べていたところ、偶然それを見かけた客が「その料理を食べたい」と注文。これがきっかけで「ライスオムレツ」というメニューが誕生したとされている。

 オムライスを愛してやまない作家のブライアン・ワシントン氏は、ニューヨーカー誌に寄稿した記事のなかで、オムライスはナポリタン、コロッケ、カレーと並ぶ日本の洋食屋の定番メニューだと書く。鶏肉や玉ねぎが入った炒めたごはんの上に完全に火が通る前のクリーミーな卵を乗せたオムライスには、トマト、デミグラス、クリーミーマッシュルームなどのソースがかけられ、チーズを載せることもできると解説。大阪に滞在中、オムライスを食べ歩いた同氏は、料理のレベルが高い日本においてさえ、オムライスは完璧なレシピだと述べる。シンプルな材料で作るおいしさには作り手の魂が感じられ、安心できる定番料理とは、自国であろうが外国であろうが、何度も戻って食べたくなるものだとしている。

Text by 山川 真智子