「オバマケア」の恩恵を受ける州、受けない州は? 恩恵に格差
米大統領選において、20人以上もいた民主党予備選候補者が絞られていくなか、候補者の間では国民の健康保険が大きな争点となっている。
バーニー・サンダース上院議員など「プログレッシブ」と呼ばれる左派候補者は健康保険がアメリカ人の権利であるとして、国民全員を公的保険の対象者とする「メディケア・フォー・オール」を推推しているが、有力候補のジョー(ジョセフ)・バイデン前副大統領はオバマ前大統領による医療保険制度改革、すなわち通称「オバマケア」の存続を主張している。
一口にオバマケアといえど、各州の自治力が強いアメリカでは、どの州でも同じ恩恵を受けられるわけではない。恩恵の格差は「メディケイド・エクスパンション」と呼ばれる低所得者層向けの健康保険枠の拡大を採用したかどうかによる。健康保険情報サイト『KFF』によると、2019年1月現在、全米で36州とワシントンD.C.がメディケイド・エクスパンションを実施している。
では全米各州でオバマケアの恩恵を最も受けている州、逆に受けていない州はどこだろうか? 経済情報サイト『WalletHub』の統計結果を見てみよう。
◆オバマケアの恩恵が大きいのは民主党支持州
統計結果によると、オバマケアの恩恵を最も受けている州のランキングは次のようになった(ワシントンD.C.を含む)。
1位……ニューヨーク州
2位……ウエストバージニア州
3位……バーモント州
4位……ケンタッキー州
5位……オハイオ州
6位はロードアイランド州、7位はメリーランド州、8位はニューハンプシャー州という結果となっている。2位のウエストバージニア州と4位のケンタッキー州がいわゆる「レッドステート(共和党支持州)」なのを除き、ほかはすべてブルーステート(オハイオ州は「スイングステート」と呼ばれる変動州)だ。
なかでも、ニューヨーク州はオバマケア実施後、平均的な健康保険料が40%以上減少したという大きな恩恵を受けている。
では、逆に最も恩恵を受けていない州はどこだろうか?
47位……アリゾナ州
48位……サウスダコタ州
49位……アイダホ州
50位……ユタ州
51位……ジョージア州
驚くことに、下位5州はすべて共和党支持州だった。ちなみに、46位のテキサス州、45位のノースカロライナ州も共和党支持州である。KFFの調査によると、このうち最下位のジョージア州と48位のサウスダコタ州はメディケイド・エクスパンションを導入しておらず、50位のユタ州と49位のアイダホ州は導入したもののまだ実施していない。47位のアリゾナ州だけが実施しているにかかわらず受ける恩恵は少ないという結果だった。
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