ファストファッションの「闇」暴く本が話題に 労働搾取、環境破壊の問題

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 最新のデザインを取り入れ、下請け会社に猛スピードで大量に作らせ、世界中のチェーン店で驚くほど安い値段で販売する。そんなファストファッションが消費者の人気を得て久しいが、その問題点を的確に指摘する本が話題となっている。

◆製品はパクリ? ファストファッションならではの手法
「Fashionopolis(ファッショノポリス、ファッションと都市国家を合わせた造語)」と題されたこの本の著者は、米ファッション・ジャーナリストのダナ・トマス氏だ。同氏はファストファッションのビジネスモデルは持続不可能だと主張し、早い、安い、使い捨てからの脱却を提案している。

 トマス氏の主張をまとめたウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の記事によれば、ファストファッションが登場したのは1980年代後半。そのビジネス手法は従来とはまったく異なるものだったと同氏は述べる。まずデザインの出所はファッションショーだ。いまでは、来場者が撮影した写真や動画はソーシャルメディアに投稿され、多くの「いいね」がつく。その数をもとに、人気のあるデザインを少しだけアレンジして商品化する。トマス氏は、この行為は無料かつ即席の市場調査であり、盗みだと述べている。

Text by 山川 真智子