エベレストのゴミ問題 酸素ボンベ、排泄物……11トンをネパール政府が回収

Niranjan Shrestha

 今年エベレストでは、11人の登山者が亡くなっている。その原因の一つに登山者の増加があげられているが、彼らが出すゴミもまた、深刻な問題となっている。毎年数百人の登山家、シェルパ、ポーターが頂上を目指すが、大量のゴミを途中に残しており、いまやエベレストは世界でもっとも高いところにあるゴミ捨て場だという皮肉も聞かれる。

◆清掃部隊がゴミ集め なかには驚きの回収物も
 ネパール政府は4月14日から2ヶ月かけてエベレストの清掃活動を行い、11トンのゴミを回収している。ロイターによれば、20人のシェルパで構成された清掃部隊が4月と5月に、5トンのゴミをベースキャンプより上にある複数のキャンプから、6トンをその下のエリアから集めてきたという。ゴミには、空になった酸素ボンベ、ペットボトル、缶、電池、食べ物の包装材、大便、生ごみも含まれており、軍のヘリコプターに載せて、エベレストのベースキャンプからカトマンズに運び込まれた(タイムズ・オブ・インディア)。

 ゴミとともに4人の遺体が回収されており、そのうちの2遺体は、ロシア人登山家とネパール人登山家のものだと報じられている。ロイターによれば、エベレストではこれまでおよそ300人が亡くなっている。遺体はゴミとともに冬場は雪の下に隠れているが、雪が溶ける夏場になると地表に現れてくるということだ。

Text by 山川 真智子