時速600キロ、中国でリニアの試作車が公開 日本のカモノハシ型とは異なる形状
中国・山東省で23日、高速リニアモーターカーのプロトタイプ車両が完成し、公開された。中国ではすでに上海でリニア鉄道「上海トランスラピッド」が営業中だが、最高速度は430キロに留まる。今回のテスト車両は、600キロ超の実現を目指して製造された。
◆3年にわたる技術開発が結実
公開されたのは運転台付きの車両1台で、その外観は青を基調としたトーンでまとめられている。カモノハシ型といわれる日本のリニア車両と比較すると、ノーズ部分が短く目立たないデザインだ。日本式リニアは車体に車輪が備わり、低速走行および緊急時には着地走行に移行するが、今回公開されたモデルは車輪を装備していない。跨座式モノレールのように車両全体でレールを抱えた状態で走行する設計になっている。
China unveils 600 kph maglev #train prototype.https://t.co/zjZxr6qnFk pic.twitter.com/mnHQLGgJa6
— China SCIO (@chinascio) May 24, 2019
プロジェクトを主導するのは、中国国営の中車公司だ。大学や研究機関なども含め、30以上の事業主体が関与する。3年にわたる研究開発の末に、軽量かつ剛性の高いボディを実現した。中車公司傘下企業の副エンジニア長は、中国はサスペンションや誘導、コントロールなどの分野で世界の技術的リーダーであると述べ、技術に自信を見せている。高速かつ安全性の高いリニアの実用化により、中国国内の都市を結び、地域間の連携を緊密化することが期待されている。
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