不在者票改ざんの疑い 共和党候補の不正疑惑をFBIが捜査 ノースカロライナ州下院選

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 今年11月6日に実施されたアメリカの中間選挙では民主党が下院の議席数を195から235に伸ばして過半数を獲得。さまざまな州でこれまで赤(共和党の色)だった議席が青(民主党の色)になったが、共和党の支持基盤が強いノースカロライナ州下院選第9地区では共和党から出馬したマーク・ハリス氏がわずか905票の差で民主党から出馬したダン・マクレディ氏に勝利したと思われた。
 
 しかし、CNN(電子版)の8日付報道によると、選挙後ノースカロライナ州選挙管理当局はハリス氏が当選したと認定することを2度拒否。下院選挙では全米で同州9地区だけが当選者が決定していない事態となっている。同州選管当局がなぜ当選者を認定していないかの理由は後日判明した。同地区内で不正選挙疑惑が発生したためである。

◆共和党候補の運動員、不在者投票紙改ざんか
 同日のCNN報道によると、同地区でハリス氏が雇用したコンサルティング会社が前科持ちの選挙運動員レスリー・マクレー・ダウレス氏を使い、不在者投票用紙を不正に収集し改ざんした疑惑が捜査されている。

 また、マクレディ氏を支持する有権者の投票用紙を集めて破棄した可能性もあるという。同記事によると、この人物は同州において過去8年間で6人の候補者に雇用され、候補者たちはいずれも不在者投票数の不均衡が見られたという。

 14日付 USニュース&ワールド・レポート誌(電子版)の報道によると、ハリス氏はノースカロライナ州のテレビ局WBTVに対し、不在者投票を促進するため自らこのダウレス氏を雇用したと認めた。また、他のテレビ局WSOCはダウレス氏に雇用され、不在者投票を集めて同氏に渡したと話す2人の女性をインタビューしている。同記事によると、ノースカロライナ州では第三者が不在者投票を行うことを法律で禁じているため、これは違法に当たる行為である。

Text by 川島 実佳