災害級猛暑の夏 エアコンはこまめに入り切りすべきか、つけっぱなしか 調査結果

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 経験をしたことのない暑さ、災害級猛暑、異次元猛暑といった言葉で表現されるのが、2018年の日本の夏だ。こまめな水分補給とエアコンの利用による気温調整は欠かせない。しかし、家庭の電力消費で大きな割合を占めるエアコンの使い方は、家計への影響や省エネの観点で気がかりな人も多くいるだろう。

 一見、こまめに必要な時だけエアコンを利用することを心がけるというのが良いようにも思えるが、果たして実際にそうなのだろうか。そういった疑問に答える形で、空調専業メーカーのダイキンがある実験を行なっている。「エアコンを30分間隔でこまめに入り切り」したパターンと、「エアコンをつけっぱなし」にしたパターンでどちらの電気代が高くなったかを調べたものだ。

 動画内でも説明されているが、エアコンはスイッチをオンにしたタイミングで消費電力が急激に上がり、設定温度に到達した後は安定する。あまり頻繁に入り切りすると、その度に起動時の急激な電力消費が発生してしまい、非効率な電気利用になってしまう可能性があるということだ。

 実験では、日中の時間帯(9:00から18:00)は「エアコンをつけっぱなし」のほうが累計電気消費量は小さく、電気代が安くなるという結果だった。一方で夜の時間帯(18:00から23:00)は「エアコンを30分間隔でこまめに入り切り」のパターンが累計電気消費量は小さく、電気代が安くなるという結果であった。

 また、以下図のような1日の想定生活スケジュールで実験したところ、エアコンに関する電気代は「つけっぱなし」が 153.9 円、「こまめに入り切り」が 118.8 円となり、「つけっぱなし」の方が1日で 35.1 円ほど高くなった(電力料金単価を 27 円/kWh として計算 )。想像よりも差が小さいと感じる人もいるだろう。

ダイキン

 実験は特定の環境下での結果のため、住宅の構造や広さ、インテリアによって結果が違う可能性があるが、あまりにこまめにエアコンを入り切りすると逆に省エネにならないことがあるということは心に止めておきたい。

 経済産業省は今夏の節電要請は行わないことを決めている。世耕弘成経済産業相は、電力供給量力は十分に確保されており、「エアコンをしっかりかけて熱中症にかからない対策を最優先していただきたい」と呼びかけている。自分は大丈夫と過信せず、エアコンのつけっぱなしをうまく活用し、水分補給はこまめに行い熱中症対策に万全を期したいところだ。

提供:ダイキン工業株式会社

Text by NewSphere 編集部