エムバペの「中国の独裁者」発言が波紋 中国企業3社が相次ぎ契約解除
北京のスーパーに並ぶ、エムバペ選手の写真入り飲料|Andy Wong / AP Photo
フランスのサッカースター、キリアン・エムバペ選手の顔は、中国各地の地下鉄駅やエレベーターなど、さまざまな場所の広告に登場している。しかし、中国の建国指導者である毛沢東を「独裁者」と呼んだとみられる発言を受け、少なくとも3社がフランス代表主将との契約を打ち切ることになった。
飲料メーカーの東鵬飲料、乳製品大手の蒙牛乳業、チーズメーカーの妙可藍多は27日、エムバペ選手との契約を終了すると、それぞれ発表した。各社は似通った文面の声明で、いずれも「国民感情を傷つけるいかなる言動にも反対する」としている。
◆お気に入りのネットミームを語った発言が波紋
各社は契約終了の具体的な理由を明らかにしていない。ただ、エムバペ選手がフランスのオンライン・トーク番組『The Bridge』に出演する前にインタビューを受けたとみられる動画の一部が、X(旧ツイッター)で拡散した後に声明を発表した。
動画の中で、エムバペ選手は、自分を題材にしたインターネット上のミーム(ネタ画像や動画)で最も気に入っているものを尋ねられ、「ある人物を使って誰かが作った動画で……確か中国の独裁者だったと思う」と答えている。その後、映像には青い服を着た毛沢東の体にエムバペ選手の顔を合成した画像が映し出される。
サッカーファンの間では、エムバペ選手が多くのチームメートや所属チームそのものをしのぐほどの影響力を持つとされることから、冗談交じりに「独裁者」と呼ばれることがある。毛沢東やその他の独裁的指導者にエムバペ選手をなぞらえたミームも、インターネット上で広く出回っている。
AP通信はエムバペ選手の代理人にコメントを求めようとしたが、すぐには連絡が取れなかった。
◆中国外務省も反応、SNSでは批判が拡大
中国外務省の郭嘉昆報道官は、この問題に関する質問に対し、「中国人民の感情を傷つける言動は、当然ながら中国社会の各界から一致して反対されることになる」と述べた。
中国のSNS「小紅書(レッドノート)」も批判に加わった。同社は別の声明で、エムバペ選手とのコンテンツ提携は2024年12月31日に終了していたと説明し、関連する宣伝素材を削除すると表明した。同社も「国民感情を傷つけるいかなる行為にも反対する」としている。
27日時点で、レッドノートのエムバペ選手のアカウントは新規フォロワーを受け付けていなかった。
エムバペ選手はこれまで、中国で電解質飲料から牛乳、チーズに至るまで、さまざまな商品の広告に出演してきた。東鵬飲料のCMでは中国語で宣伝文句を口にし、蒙牛乳業の広告ではアルゼンチンのサッカースター、リオネル・メッシ選手と共演している。
中国のSNS上では、エムバペ選手を批判するコメントが相次いでいる。
中国のSNS「微博(ウェイボー)」では、「東鵬飲料がエムバペとの提携を終了」「複数ブランドがエムバペとの提携を終了」といったハッシュタグがトレンドランキングの上位に入った。「サッカーファンがエムバペをボイコット」という話題も注目を集め、発言への怒りを表明したり、中国に来るなと訴えたりするユーザーもいた。
By E. EDUARDO CASTILLO Associated Press





