「タンパク質源の1位は豆腐」ケンブリッジ大研究者が20食品を独自評価

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健康的なタンパク質源といえば、鶏むね肉や卵、魚などを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、栄養面だけでなく、環境への影響や価格なども含めて比較すると、意外な結果になるようだ。

イギリス・ケンブリッジ大学の研究者が、タンパク質を豊富に含む20食品を独自の指標で評価したところ、総合1位となったのは豆腐だった。一方、最下位はチェダーチーズだった。

結果は7月29日、学術誌「Frontiers in Sustainable Food Systems」に発表された。

◆健康と環境、価格など10項目で評価
評価を行ったのは、ケンブリッジ大学ルーシー・キャベンディッシュ・カレッジのクリス・マクドナルド研究員だ。同氏は、より望ましいタンパク質源への移行を推進する団体「Better Protein Institute」の創設者でもある。

マクドナルド氏は、従来の食品評価では栄養価や環境負荷などが個別に示されることが多く、総合的な長所と短所を把握しにくいとして、新たな評価指標「BPIスコア」を考案した。

評価は「環境」と「人」の2分野、計10項目で構成される。環境面では温室効果ガス排出量、水質汚染、土地利用、水使用量を比較。人への影響については、ナトリウム、飽和脂肪酸、コレステロールの含有量、必須アミノ酸9種類をすべて含むかどうか、価格、入手しやすさを評価した。

食品ごとに含まれるタンパク質の量が異なるため、環境負荷や栄養成分、価格などは原則として、タンパク質100グラムを得るために必要な量を基準に比較した。

◆豆腐が36点で首位、鶏むね肉は7位
40点満点の総合評価で、豆腐は36点を獲得し、1位となった。環境面では16点満点、人への影響でも24点中20点と、いずれも最高評価だった。

豆腐が特に高く評価されたのは、環境負荷の低さだ。

原論文によると、タンパク質100グラムを得る際の温室効果ガス排出量は、豆腐が二酸化炭素換算で0.61キログラムだったのに対し、牛肉は64.19キログラムだった。必要な土地面積も豆腐の2.16平方メートルに対し、牛肉は211.38平方メートルと、大きな差があった。

また、豆腐は人間の体内では合成できない9種類の必須アミノ酸をすべて含むことも評価された。

総合順位では、2位がチアシード、3位が豆類、4位がキヌアとなり、上位4食品を植物性食品が占めた。

一方、鶏むね肉は7位、ツナ(マグロ)は8位、サケは13位、卵は14位だった。牛肉のステーキは17位、ラムチョップは18位、最下位の20位はチェダーチーズとなった。

チェダーチーズは、温室効果ガス排出量などの環境負荷に加え、飽和脂肪酸やナトリウムの含有量が多いことなどが評価を下げた。

◆20食品の総合ランキング
20食品の総合順位は次のとおり。

1位 豆腐
2位 チアシード
3位 豆類
4位 キヌア
5位 ヒマワリの種
6位 レンズ豆
7位 鶏むね肉
8位 ツナ(マグロ)
9位 ピーナッツ
10位 ひよこ豆
11位 クルミ
12位 ブラジルナッツ
13位 サケ
14位 卵
15位 豚肉(ポークチョップ)
16位 タラ
17位 牛肉(ステーキ)
18位 ラム肉(ラムチョップ)
19位 モッツァレラチーズ
20位 チェダーチーズ

◆栄養価だけの順位ではない点に注意
ただし、今回のランキングは、食品の栄養価や健康効果だけを比較したものではない。

健康面の評価では、ナトリウムや飽和脂肪酸などに着目する一方、鉄分やビタミンなど、各食品が持つ栄養面の利点を網羅しているわけではない。

また、価格にはイギリスのスーパー「アルディ」の販売データを使用しており、日本など他国の食品価格を反映したものではない。

マクドナルド氏も、今回の指標は初期段階のものであり、評価項目や採点方法には改善の余地があると認めている。

今回の研究は、既存のデータを組み合わせて独自の評価指標を提案した論考だ。豆腐を食べることで、ほかの食品より健康になれると実証したものではない。

それでも、タンパク質源を選ぶ際、栄養価だけでなく環境への影響や価格にも目を向けるという、一つの視点を示す結果となった。

Text by 白石千尋