猛獣がすむ国立公園で1か月超行方不明 10歳の小型犬、救出の決め手は「家族のにおい」

保護された犬のルナ(10月14日)|Katie Boucher/Norris Ark Training and Recovery Center via AP

アメリカのイエローストーン国立公園で、家族旅行中に行方不明になった小型犬が、1か月以上を経て飼い主と再会した。クマやオオカミなどの野生動物が生息する広大な公園で生き延び、冬の到来が迫る10月14日に保護された。

無事に戻ったのは、10歳の雌犬ルナ。ジャック・ラッセル・テリアとチワワの血を引く白い小型犬だ。

ルナは9月10日、家族が宿泊していたキャビンから逃げ出した。一家はルナを部屋に残して観光に出かけており、清掃スタッフが誤ってドアを開けたことで外に出たと考えている。

一家は懸命に捜したが、コヨーテなどに襲われ、すでに死んでいる可能性もあると告げられたという。ところが、公園を離れて数日後、ルナが目撃されたとの知らせが届いた。

◆飼い主と訪れた場所をたどるように移動
約9000平方キロに及ぶイエローストーン国立公園で、ルナは交差点を横切ったり、従業員の居住エリアを歩き回ったりする姿が目撃された。自動ドアを通ってロッジに入ることもあったという。

救出活動を率いたボランティアのケイティ・ブーシェ氏によると、ルナは行方不明になる前日に一家と訪れた場所をたどるように移動していたとみられる。家族が立ち寄った飲食店やロッジに入り込んだほか、従業員の住居や店舗などで身を寄せていたという。

ルナは飼い主に引き取られるまで、生後約1年間を路上で過ごしていた。ブーシェ氏によると、行方不明の間も強い生存本能を発揮していたという。

◆救出の決め手は「飼い主のにおい」
地元住民や観光客も捜索に協力したが、ルナは名前を呼ばれたり追いかけられたりすると、警戒してさらに逃げてしまった。

そこでボランティアたちは、飼い主のTシャツや枕カバーの切れ端を使い、においで誘い込む捕獲器を設置した。クマなどの野生動物を引き寄せないよう、餌は使わなかった。

冬が近づき、捜索を続けられる時間は残りわずかとなっていた。ブーシェ氏が滞在していた施設も、翌週には閉鎖される予定だったという。

そんななか、14日、ルナがついに捕獲器の中で発見された。

動物病院に運ばれたルナは、飼い主に抱かれて診察を受けた。痩せてはいたものの、意識ははっきりしており、元気な様子だったという。

「公園からここに来るまで、私はずっと泣いていました」とブーシェ氏は語った。

※この記事はAP通信の記事を抄訳したものです。
By MIKELLA SCHUETTLER Associated Press

Text by AP