「頭がいい」と褒められた子供ほどカンニング 5〜6歳で実験
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子供がテストで良い成績を取ったとき、「頭がいいね」と褒めるのはごく自然なことだ。しかし、そんな何気ない言葉が、思わぬ行動につながる可能性がある。
5〜6歳の子供を対象にした実験で、成功の理由を「頭がいいから」と説明された子供は、「努力したから」「運が良かったから」などと説明された子供より、その後のテストでカンニングをする割合が大幅に高くなった。杭州師範大学とトロント大学の研究チームによる研究で、8月20日、教育心理学の学術誌『Journal of Educational Psychology』にオンライン掲載された。
◆「頭がいいから」でカンニング率64.3%
研究チームは、中国の都市部にある幼稚園に通う5〜6歳の子供計378人を対象に、3つの実験を行った。成功や失敗の理由を大人がどう説明するかによって、その後の行動が変わるかを調べた。
特に大きな違いが表れたのが、168人を対象にした「成功」後の実験だ。子供たちは最初の問題に正解した後、「頭がいいから」「一生懸命やったから」「問題が簡単だったから」「運が良かったから」のいずれかを伝えられた。
続いて、より難しいテストに挑戦。実験者は答えを別の机に置き、「見ないで、自分で解いて」と伝えて部屋を離れた。答えをのぞいて書き写した場合をカンニングと判定した。
その結果、「頭がいいから」と言われたグループでは64.3%がカンニングした。「一生懸命やったから」は35.7%、「運が良かったから」は38.1%、「問題が簡単だったから」は21.4%で、「頭がいいから」のグループはほかの3グループすべてより有意に高かった。
◆「賢い自分」を守ろうとした?
研究チームは一つの可能性として、子供が「賢い自分」というイメージを維持しようとしたことを挙げている。
成功を本人の能力と結びつけられると、その後も高い能力を示し続けなければならないという意識が生まれやすい。難しい問題に直面した際、「頭がいい」という評価を失いたくないというプレッシャーから、不正に頼った可能性があるという。
実際、成功後に理由を何も説明されなかった別のグループのカンニング率は35.7%だった。「頭がいいから」と言われたグループとは28.6ポイントの差があった。
◆「努力を褒めればいい」とも限らない
ただし、結果は単純に「頭の良さではなく、努力を褒めればいい」というものでもなかった。
研究チームは当初、「一生懸命やったから」と成功を努力に結びつければカンニングが減ると予想していた。ところが、このグループのカンニング率35.7%は、理由を何も伝えられなかったグループと同じで、「運が良かった」「問題が簡単だった」とされたグループとの間にも有意な差はなかった。
失敗した場合にも、「努力が足りなかった」「問題が難しかった」「運が悪かった」と理由を変えて実験したが、その後のカンニング率に有意な差は確認されなかった。今回、はっきりした影響が表れたのは、成功を「頭の良さ」という能力そのものに結びつけた場合だった。
◆では、どう褒めればいい?
研究チームは、「頭がいい」といった固定的な能力に成功を結びつけることは避けるべきだとする一方、単純に「努力したね」と置き換えればよいともしていない。
代わりに、「工夫して解く方法を見つけたね」と具体的な取り組み方に注目したり、「こういう問題が上手になってきたね」と成長を伝えたり、「今日は新しいことを学んだね」と学習そのものに価値を置いたりするフィードバックを例に挙げている。
もっとも、参加したのは主に中国の都市部に住む中流家庭の子供で、実験条件も日常の家庭や教室とは異なる。研究チームは、異なる文化や社会経済的背景を持つ子供でも検証する必要があるとしている。




