マツダ3、米で販売ほぼ倍増 大幅改良なしで7年、なぜ今売れている?
MAZDA NORTH AMERICAN OPERATIONS
アメリカでマツダの「Mazda3(マツダ3)」の販売が急増している。8月の販売台数は前年同月から約2倍となり、なかでもセダンは2倍を超えて8月として過去最高を記録した。マツダ全体の販売が前年割れとなるなかで際立つ伸びだ。しかも現行Mazda3は2019年モデルとして登場し、それ以来、大幅な改良は受けていない。それがなぜ今、売れているのか。
◆Mazda3、8月販売はほぼ倍増
マツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズによると、8月のアメリカ販売は全体で3万4735台と前年同月比8.9%減だった。一方、Mazda3は4427台と91.7%増加。うちセダンは3452台で113.9%増え、8月として過去最高となった。1~8月累計でもMazda3全体で34.9%増、セダンで21.3%増となっている。
このところ大幅な伸びが続いている。6月は前年同月比98.7%増、7月も3903台と前年同月の2082台から87.5%増え、8月は91.7%増。3か月連続で前年のほぼ2倍の水準となった。2025年の年間販売は2万9266台と前年比24.7%減だっただけに、今年は流れが一変している。
◆新車5万ドル時代、Mazda3は約半額
好調の背景として考えられるのが、アメリカの新車価格の高さだ。自動車情報サイトの『ケリー・ブルー・ブック(KBB)』は2026年型Mazda3について、平均的な新車が約5万ドルする時代に、その約半額から購入できる点を評価している。セダンの価格は2万5885ドルからだ。
自動車情報サイトの『カーズ・ドット・コム(Cars.com)』が選ぶ2026年の「ベスト・バリュー・ニュー・カーズ」でも、Mazda3 2.5 Sセダンがコンパクトカー部門の上位に入った。選考では単純な購入価格の安さだけでなく、装備や燃料費などを含めた総合的な価値が評価されている。
こうした動きはMazda3だけの特殊事情とも言い切れない。カーズ・ドット・コムは、コンパクトカーの販売がここ数年上向いており、新車の価格負担を意識するアメリカの消費者が、より小さな車を選ぶようになっていると指摘している。
◆価格だけではない 走りと質感にも高評価
もっとも、アメリカにはMazda3より安い車もある。価格だけでは、今回の大幅な伸びを説明しきれない。
マツダは自動車メディア『トルク・ニュース』に対し、若い購入者がMazda3の「価値」「特徴的なスタイリング」「運転する楽しさ」に好意的に反応していると説明した。
メーカー自身の分析と重なる評価は、第三者からも出ている。カーズ・ドット・コムは2026年型Mazda3について、基本設計の古さを指摘しながらも、現在購入できる主流コンパクトカーのなかで特にスポーティーで運転を楽しめる1台と評価。標準の2.5リッターエンジンは186馬力と同クラスの一般的な水準を上回り、俊敏なハンドリングやステアリングの感触も高く評価している。内装についても、多くの競合より上質で、一部のエントリークラスの高級車に匹敵するとした。
KBBもMazda3の走りを特徴として挙げており、ハッチバックでは現在では珍しい6速MTを選択できるほか、上級モデルには250馬力のターボエンジンと四輪駆動を用意する。
つまりMazda3の強みは、単に安いことではなさそうだ。約2万5000ドルからという価格帯で、デザインや走り、内装の質感にも特徴を持つ。大幅なモデルチェンジがないまま販売を伸ばしていることを考えると、新車価格が高止まりする現在のアメリカ市場で、このバランスの良さが改めて消費者の目に留まっている可能性がありそうだ。




