ウェイモの無人運転車、人間より事故少なく 関与率は3分の1 米研究

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 アメリカの研究で、ウェイモの無人運転車が警察に報告される規模の事故に関与する割合は、同じ地域・期間を走った人間のドライバーより低いことが判明した。自動運転車は、人間のように飲酒や眠気、注意力低下の影響を受けないという、これまでの業界の主張を裏付ける結果となった。一方、研究者は、データの収集方法や比較条件には限界があるとも指摘している。

◆ウェイモの事故関与率、人間より68%低く
 研究を行ったのは、保険業界の支援を受け、厳格な衝突試験で知られる非営利団体の米道路安全保険協会(IIHS)だ。研究では、連邦政府などに報告されたレベル4自動運転車の事故データを分析し、このうち走行距離を使って人間との比較ができたウェイモについて、4都市における事故関与率を調べた。

 その結果、一般のドライバーなら警察に報告したと考えられる事故への関与率は、走行距離100万マイルあたりで人間が4.06件だったのに対し、ウェイモは1.28件だった。ウェイモのほうが68%低い計算になる。単独事故への関与率は人間が運転する車より85%低く、負傷者が出た事故への関与率も81%低かった。

 ただし、都市別では結果に差があった。ウェイモの事故関与率は、フェニックスで76%、ロサンゼルスで71%、サンフランシスコで35%低かった一方、オースティンでは人間より4%高かった。研究者は、オースティンについては走行距離が少なく、サンプルも比較的小さいとしている。

◆ロボットと人間 比較の難しさ
 もっとも、今回の研究では、自動運転車と人間を正確に比較することの難しさも浮き彫りになった。アメリカでは、自動運転システムに関連する事故の報告は義務付けられているが、走行距離の開示義務はない。主要事業者のうち無人走行距離を自主的に公表しているのはウェイモだけであり、人間との事故関与率を算出できたのも同社に限られた。

 事故の報告基準にも差がある。人間のドライバーは、報告義務のある事故でも警察に届け出ないことが少なくない。一方、自動運転車の運行企業には、2025年の要件改正まで、軽微な接触も事故として報告することが求められていた。研究者は重複した記録や公道外の事例などを除き、一般のドライバーなら警察に報告したと考えられる事故を1件ずつ選別した。その結果、自動運転機能が作動していた公道上の事故736件のうち、報告対象になり得ると判断されたのは22%だった。

◆走行条件とデータ量にも差
 走行環境も同じではない。ウェイモは高速道路を走らず、人間より低速の道路を走る割合が高い。EV専門メディア『エレクトレック』によると、ウェイモの事故の半数は制限速度25マイル以下の道路で発生していたのに対し、人間では8%だった。また、走行距離の半分近くは車内に人がいない状態だった。低速道路を走る割合の高さは事故の深刻度を、乗員がいない走行は負傷事故率を、それぞれ低く見せている可能性がある。

 サンプル規模にも大きな差がある。ウェイモの無人走行距離は2021~2024年に約5000万マイルだったが、多くの事故類型で件数は0件または1件にとどまった。一方、人間が運転する車は同じ地域・期間に約2220億マイルを走行しており、個別の事故が数値に与える影響はウェイモのほうが大きい。

◆結果は有望 データ整備が今後の課題
 エレクトレックは、自動運転車の安全性に関する疑問に答えるにはまだ時間が必要だとしつつ、これまでに得られたデータを見る限り、懸念材料は一般に考えられているほど大きくないようだと述べている。

 自動車ニュースサイト『ザ・ドライブ』は、グーグルが自動運転プロジェクトを始めてから約20年にわたり、自動運転車が事故を劇的に減らすとの期待は、実現したとは言い難かったと指摘する。そのうえで、今回の研究はウェイモが正しい方向へ進んでいる可能性を示したと評価した。

 研究の筆頭著者であるエリック・テオ氏は、「無人運転車の将来にとって心強い兆候だ」と述べた。一方、論文は、普及が進んで事故件数が増えれば、研究者が個々の事故記録を手作業で判定する現在の方法は維持できないと指摘。自動運転車の安全性を迅速かつ正確に評価するため、全国的な事故・走行距離データの収集方法を改善する必要があるとしている。

Text by 山川 真智子