タイでトラ72頭が大量死 CDV検出、餌が感染源の可能性指摘
火葬場の近くで解剖を待つトラの死骸(2月12日)|Tiger Kingdom sanctuary in Chiang Mai via AP
タイ北部の観光用動物園2施設でトラ72頭が死亡した件について、当局は24日、死因はヒトへの感染が知られていないウイルスによるものであり、鳥インフルエンザではないため、国民が過度に懸念する必要はないとの見解を示した。
これまでのところ症状を訴えている者はいないが、当局は念のため、最近これらの動物と接触した人々の健康状態を監視している。
パッタナ・プロムパット保健相は、バンコクの首相府で行われた記者会見で「動物からヒトへの感染事例は発生していない」と述べた。
チェンマイ県のメーテーン郡とメーリム郡にある施設内のトラは、2月8日から18日までの約10日間に発症し、相次いで死亡した。
20日、チェンマイ地域の家畜局は声明を出し、死体の解剖の結果、イヌジステンパーウイルス(CDV)の遺伝物質と細菌感染の痕跡が検出された一方、鳥インフルエンザとして知られるA型鳥インフルエンザウイルスは検出されなかったと発表した。
保健省疾病対策局のモンティエン・カナサワット局長は、「発症者が確認された場合は、全国的な監視体制を整える。これには接触者追跡や必要に応じた治療も含まれる」と述べた。
モンティエン局長が記者会見で発言した背景には、アジアの一部で再流行している鳥インフルエンザが死因ではないことを強調し、国民を安心させる狙いがある。保健省によると、タイでは2004年から2007年にかけて家禽由来のインフルエンザにより25人が感染し、うち17人が死亡している。
CDVはイヌ科とネコ科の両方に感染するが、ネコやトラにおいてはより重篤な症状を引き起こす可能性があり、体液や飛沫(空気)を通じて感染が広がる。タイ当局は、閉鎖的な環境に置かれ、すでにストレスや近親交配の影響を受けているトラは、ウイルス感染に対して特に脆弱である可能性があると指摘した。
家畜開発局のソムチュアン・ラッタナマングラナン局長は記者会見で、トラの死骸は病理解剖された後、火葬され埋却されたと説明。死骸は不正利用を防ぐために適切に消毒・写真撮影された上で廃棄されたと述べた。
しかし、解剖に参加した獣医師のウィシット・アーサイタムクン氏は、さらなる調査なしには感染源が不明なままであると懸念を表明した。同氏はフェイスブックの投稿で、2つの園がわずか30キロしか離れていないことから、同じ供給元からの餌が感染の原因である可能性を疑っていると述べた。
AP通信が取材した際、同氏は詳細についての言及を避けた。「タイガー・キングダム」の名で運営されている両園は現在も閉鎖されたままである。運営側からは現時点でコメントは得られていない。
タイ当局は依然として鳥インフルエンザ流行の脅威に警戒を続けている。モンティエン局長は、国名は明かさなかったものの、隣国で男性1人の感染が確認されたことを受け、国民に家禽の摂取に注意するよう促した。
鳥インフルエンザの最初の動物からヒトへの感染は1997年に香港で確認され、その後2003年にアジアでパンデミックが広がった。当時のタイでは、感染への恐怖から数千万羽の家禽が殺処分され、消費が激減した。
By WASAMON AUDJARINT Associated Press




