深海で新種のゴカイを発見 「これまで報告されたことのない構造」

画像はイメージ(Australocetus/ Wikipedia Commons

コスタリカ沖の深海で新たに見つかったゴカイの一種が、分類学の分野で注目を集めています。

【動画】「分類体系の見直しの可能性」新たに発見されたゴカイ

オープンアクセス専門の出版社「PLOS ONE」にて発表されました。

腹側にあるブラシ状のエラが特徴

このゴカイの名前は「Pectinereis strickrotti(ペクティネレイス・ストリクロッティ)」。

コスタリカ沖の水深およそ1,000mに位置する「メタン湧出帯」で発見されました。

初めて水中で観察されたのは2009年でしたが、採取に成功したのは2018年です。

繁殖期に変態したとみられるオス(エピトーク)とメスの体の一部が採集されていて、最大の特徴は腹側に広がるモップのような櫛状(ブラシ状)のエラ。

これまでNereididae科(ゴカイ科)で報告されたことのない構造で、分類体系の見直しがなされる可能性もあるといいます。

ほかにも靴のような形の突起やフック状の剛毛など、既存の属種には見られない独自の形態が確認されました。

このことから、研究チームはこの種を新たな属「ペクティネレイス」として分類。

同種はアメリカの有人潜水艇アルビン(DSV Alvin)による調査中に発見されたことから、名前の一部「ストリクロッティ」は、操縦士ブルース・ストリクロット氏にちなんで名づけられたそうです。

この発見にネット上では、「発見おめでとう。泳ぎ方もかっこいいよね」「もっとこのような発見を動画で発信してほしい」などといった反応が寄せられています。

Text by 本間才子