紀元2世紀末の沐浴場を発見 一部地域を除くと世界最古

画像はイメージ(Flicker/ Tin-Tin Azure

イタリア・ローマ近郊の港町オスティアでこのたび、紀元2世紀末に建てられた古代ローマの沐浴場が発見されました。

【画像】発見された紀元2世紀末の沐浴場

古代ローマの沐浴場が発見

この町は古代ローマ最初の植民地として栄え、当時は重要都市だったこともあり、今でも神殿遺跡などが複数点在しています。

アメリカメディア・CNNによると、「ミクワー」と呼ばれるこの沐浴場は、ユダヤ人が体を洗って清める際に使われており、イスラエルやその他周辺地域以外で見つかった沐浴場のなかで世界最古だといいます。

古代オスティア考古学公園の責任者アレッサンドロ・ダレッシオさんらが町を発掘していた最中に見つかったそうで、この発見がもたらす意義について言及。

これまでミクワーは古代ユダヤ、ガリラヤ、イドマヤ(現在のヨルダンにあった古代の地域)以外で発掘されたことがなく、今回新しい土地で発見されたことにより、「同町におけるユダヤ人コミュニティーの存在やその役割、重要性が確認できた」と話しました。

またイタリアの文化大臣アレッサンドロ・ジュリさんは「そこが文化の共存と交流の交差点であり、ローマ文明の中で様々な民族が共存していたという歴史的認識を強めるものだ」と述べました。

かつて大理石の発掘が行われてきたオスティアはまだ全体の3分の1しか発掘されておらず、今後も多くの新発見が期待されています。

こうした事実について、世間からは「かつては色んな民族が混ざり合い、上手く交流していたのだろう」「ローマ近郊にユダヤ人が暮らしていたとは驚きだ」「イスラエル以外でユダヤ人の歴史について学べるのはとても興味深い」「素晴らしい発見!」「歴史は驚きの連続で面白い」といった感想があがっているようです。

Text by 春野 なつ