目標はマンモスの復活 バイオテクノロジー会社がマウスに遺伝子操作

画像はイメージ(Flicker/ Chris Hunkeler

アメリカのバイオテクノロジー企業が、ケナガマンモスを復活させようと遺伝子操作でフワフワの毛をした耐寒性のあるマウスを作りました。

【画像】遺伝子操作により、マンモスのような毛を生やしたマウス

遺伝子操作で目指すはマンモス

手掛けたのは、テキサス州にあるバイオテクノロジー企業、コロッサル・バイオサイエンス(Colossal Biosciences)社。

同企業は、絶滅した動物の重要な特徴を特定し、それを生きた動物に遺伝子操作することを目標に掲げてきました。

過去には、ドードー鳥の復活計画も発表しています。

今回、コロッサル・バイオサイエンスの研究者たちは、胚の7つの遺伝子改変によって毛が長く、太く、毛深いマウスが実験で作り出されたことを発表。

このフワフワした毛のマウスを、「コロッサル・ケナガマウス」と命名しました。

コロッサル・バイオサイエンス社はプレスリリースの中で、「マウスには従来と異なる毛が生えただけでなく、ケナガマンモスのように氷河期を生き延びるのに役立った脂肪代謝の促進が見られた」と主張しています。

同社は現在、アジアゾウにケナガマンモスの形質を与える遺伝子組み換えを計画中。

ゾウの毛をマンモスのように毛深くして、寒さに耐えることができるように遺伝子操作をすることが目的です。

これは、彼らの研究が自然保護活動に役立てられることを期待してのことだそう。

ところが、Sky Newsが伝えたところによると、批評家からはこのような批判の声が上がっています。

「そのような実験は、実際に絶滅から種を復活させることとは異なる。

アジアゾウの毛並みを変えたり、寒さに適応させることはできるかもしれないが、それはケナガマンモスを復活させることではない。

アジアゾウを変えるだけだ」

ケナガマウス作成の結果は、まだ学術誌に発表されておらず、独立した科学者による検証も受けていません。

また、アジアゾウは絶滅危惧種であるため、計画を進めるには多くのお役所仕事が必要になることでしょう。

マウス実験で期待できる結果が出たとしても、「次はゾウで」となると、なかなか難しいようですね。

Text by 都築ミロ