斬新デザインのホンダ「0シリーズ」、米ファンの反応は?「もはや古い伝統に…」
北米ホンダは1月7日から10日までアメリカのラスベガスで開催中の年次見本市「CES 2025」で、次世代EV「0(ゼロ)シリーズ」の新プロトタイプ2点を発表した。近未来的デザインをまとい先進テクノロジーを搭載する「0サルーン」および「0 SUV」に、米自動車ファンらからは絶賛と疑念の両極端な反応が飛び出している。
◆日本市場譲りのラディカルなデザイン
両モデルは2026年に北米で発売予定だ。米カー&ドライバー誌(1月8日)は、0シリーズのデザインに注目する。0 SUVについては「傾斜したフロントガラスと低めのルーフライン」が特徴で、フロントエンドには「ピクセル状のヘッドライトとイルミネーション付きホンダロゴを搭載した黒いパネル」を備える。
一方で0サルーンについては、「未来的な低床ウェッジシェイプ」を採用し、ヘッドライトには格納式カバーを備えると記事は伝える。
ホンダのデザインセンター担当常務取締役である南俊叙氏は、米ドライブ誌(1月8日)の取材に応じ、「アメリカ市場向け(のホンダモデル)は、これまでおそらく、あまりラディカルではありませんでした」と語る。
「しかし、日本では過去にラディカルなデザインを採用してきた。失敗も多かったが、今回は『Thin, Light and Wise(薄く、軽く、賢く)』という確固たるアプローチに決めました」と南氏はいう。
◆テクノロジーも充実、OSはAsimoの知見生かす
カー&ドライバー誌によると、コックピット周りもかなり近未来的な仕様となるようだ。
両モデルとも、デジタルメーターパネル、センタータッチスクリーン、助手席専用ディスプレイを備え、サイドカメラ表示用の2つの周辺ディスプレイも用意する。操作系統のうち物理的なインターフェースは、ヨーク型ステアリング背面に設けられたレバーのみという徹底ぶりだ。
「0シリーズ」は、人型ロボット「ASIMO」から名付けた新プラットフォーム「Asimo OS」を搭載する。Asimo OSは一定の自律的な予測機能を備え、たとえば充電時に幹線道路近くを好む運転者には、そうした充電施設を優先的に提案するという。レベル3の条件付き自動運転も計画されているが、アメリカの法規制の影響で車両発売以降の導入となる可能性がある。
◆米での反応は真っ二つ「デザインがいい!」「実現しないだろう」
かなり挑戦的なエクステリアデザインだが、ぜひ所有したいとの声が米自動車ファンからは聞かれる。
「Z世代だけれど、私はサルーンのデザインがとてもいいと思う!」
「EVならではの柔軟なデザインになっていて嬉しい。昨今、もはや古い伝統にとらわれる必要はないのだから」
「興味深い。もはやICE(内燃機関)とドライブトレーンが前提の空間確保は必要ない」
一方、0シリーズへの否定的な反応も若干見られる。指摘はデザインから実現可能性まで多岐にわたる。
「予告通りの内容で実際に生産されてから教えてくれ」
「この姿のまま市場に出るだろうか? 私は懐疑的だ」
「航続距離300マイル(約480キロ)は、仮に高速充電ができるのなら許容範囲といったところだろう」
「消費者がホンダに奇妙なデザインを求めているとは思わない。金型を発注する前に、買い手の意見に耳を傾けるべきだ」
「ソニーとホンダのコラボ。またはこのリアデザイン。最悪なのはどっち?」
買い手を選ぶデザインではあるものの、話題性の高さは間違いないようだ。
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