BABYMETALのNY公演、海外メディアも驚愕 「熱意と知性を感じる」「バックバンドが恐ろしく上手い」

 日本の女性3人組アイドルユニット「BABYMETAL」が、11月4日、初のニューヨーク単独公演を行った。海外にも熱狂的なファンを持つ彼女たちのコンサートを、海外メディアがレポートしている。

◆YouTubeで知ってファンに
「BABYMETAL」のメンバーは、メインボーカルのSU-METAL、コーラスのYUIMETAL、MOAMETAL。3人ともティーンエイジャーだ。鎧のようなメイドコスチュームに身を包み、演奏技術の高いバックバンドが奏でるヘビーメタルとJポップをミックスした曲に合わせ、歌って踊る日本のアイドルグループだ。

 ビルボードのジェフ・ベンジャミン氏は、「ネットの口コミで人気となった日本のトリオ」と紹介。アルバム「BABYMETAL」が2014年のビルボード・ワールド・アルバム・チャートで1位を獲得し、レディ・ガガのツアーに前座で参加したことにもふれている。

 ガーディアン紙のブレッド・ネルソン氏によれば、ほとんどのアメリカのファンは、YouTubeを通じてBABYMETALを知ったようだ。また、YMOやPerfumeなどのファンからBABYMETALファンになった、という人もいる。

◆多様なファン、多様な魅力
 同氏は、入場を待つファンの行列があまりに長く、仕事帰りのニューヨーカーから「何があるんだ?」と聞かれるほどだったと報じている。

 実際、公演は満員だったようだ。ベンジャミン氏は、母親に手を引かれた小学生から、中年、長髪で髭面、タトゥーだらけの典型的メタル・ファンまで、多様なファンが集ったとレポートしている。

 両氏は、以下の様なポイントに注目し、好意的に報じている。

・音楽から熱意と知性を感じる。
・ヘビメタには付き物の、周囲の客の中に飛び込むモッシングは少なかった。
・振りつけは超簡単で楽しく、皆が盛り上がった。
・バックバンドは恐ろしいほど上手い。
・ステージジョークなどはない。ファンに「Singing!」と英語で呼びかけていた。最後には、かわいらしく「すごく楽しかった、ありがとう。またね」とメンバーからの挨拶があった。

◆批判的なメタル・ファンも認める存在感
 一方、音楽ファンのサイト「Noisey」で、ヘビーメタルに詳しいキム・ケリー氏は、「BABYMETAL」がメタルの名を語ることは大問題だ、と憤る。

 同氏は、「BABYMETAL」は作られたポップ・アイドル・グループで、プロデューサーが新しいガールズ・バンドのテーマとして「メタル」に決めただけだと批判。楽器も弾けず、グループ結成までヘビメタを聞いたことがなかった彼女らの存在は、「サブカルチャーと、多くの人が真面目に愛する音楽に対する侮辱である」と手厳しい。ネルソン氏が、彼女らが「メタルかどうか」はどうでもいい(うまい広報戦略だが)、と言い切っていることとは対照的だ。

 そんなケリー氏だが、満員のニューヨーク公演で、踊ってペンライトを振って、「今夜は最高だった」と満足するファンの様子を見た後、若干見解を変えたようだ。同氏は「BABYMETAL」が本物かどうかはさておき、若いファンたちが最終的に真のメタル・ファンになってくれるのなら、それも悪くはないだろうと述べ、「好きにしな、BABYMETAL」との捨て台詞で、記事を締めくくっている。

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Text by NewSphere 編集部