好調PS4、ライバルXbox Oneが売上後押し? 海外メディア分析
昨年11月の発売から1000万台を売り上げたPS4は、現在ゲーム機市場を独占している。ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイド・スタジオの吉田修平代表取締役会長が『Eurogamer』のインタビューで、ソニー自身にも好調の理由がわからないと語ったこともあり、海外メディアは理由の分析に躍起になっている。
【価格設定がカギか】
IT情報サイト『Re/code』は、ゲーマーは実はそれほどブランドに忠実ではないのかもしれない、と指摘した。PS4所有者の31%がもともとPS3の所有者ではなく、Xbox360かWiiの所有者だったというニールセンの調査が根拠だという。ライバルのXbox Oneより100ドル(約1万円)安い価格設定をしたことが決定的だった、と同サイトは見ている。
11月、12月に売上が伸びたゲームはXboxOne、PS4のどちらでもプレイ可能だが、どちらとも前バージョンのゲーム機との互換性がないため、友達といっしょにプレイしたい場合同じゲーム機を買わなければならない。XboxOneはKinect機能と価格に見合う特別魅力的なゲームがあるわけではなく、どうせ新しいゲーム機を買わなければならないのなら、安い方をということでPS4の売上が伸びたのではないか、という見方だ。
フォーブス誌に寄稿したマーク・ロゴウスキ氏も価格設定について触れている。PS4はXbox Oneより安いだけでなく、2006年に499ドル(約5万円)または599ドル(約6万円)で発売されたPS3に比べても、今日のレートに換算すると44%も安いことになるというのだ。
【ライバルXboxによる間接的な宣伝効果】
デイビッド・ティエール氏はフォーブス誌に、『Xbox OneがPS4の売上アップを後押し』という記事を寄稿した。同氏は以前、ステータスシンボルとしてのPS4についても記事を寄稿している。Xbox Oneの失敗に触れることなしにはPS4の好調ぶりを語ることはできない、とした。やはりフォーブス誌でエリック・ケイン氏が指摘した“つまらない”と言えるほどのシンプルさ、ややこしい新機能のない、低価格の新世代ゲーム機というPS4の宣伝の方が説得力があったのだろうと分析する。Xbox One不調のニュースは毎回、間接的にPS4を宣伝することになった。
競合するゲーム機が日にちを前後して発売されるというのは希で、この種の誇大広告は長続きしない、ともティエール氏は指摘する。一方で、ソニーにとって幸いなことに、好調な売上が落ち着くまでには、優れた現世代ゲーム機が充分に普及して次のアップグレードが正当化される頃になるだろう、とも予測した。
【その他の要因】
ロゴウスキ氏は、今回の発売が前バージョンの発売からどのくらいの期間が空いたかも影響する、と指摘している。マイクロソフトはオリジナルのXboxからXbox360までが4年なのに対し、ソニーはPSからPS2、PS2からPS3がそれぞれ6年、今回は8年空いており、ファンはまさに待ちくたびれていただろうと推測する。
またPS3が発売されたときPS2の人気は根強かったが、今回PS4発売時にはPS3は時代遅れになっていた。PS4の発売はまさに好機だった。マクロトレンドや、供給プロセスと流通の改善などにより前回に比べてより迅速に多くの国で発売することができたことも、売上の伸びにつながった(ロゴウスキ氏)。
ゲーマーが少ない、限られたゲームがヒットするますます競争の激化する市場で、どのように好調を維持し続けるか。消費者がスマートフォンやタブレットのゲームに費やす時間が増えつつある中、ソニーには次の9000万人をどうやって獲得するか、という課題が提示されている、とロゴウスキ氏は指摘する。
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