“長谷部交代は悪手”W杯日本の敗因はザック采配とフィジカル…海外コラムニスト分析

 15日、W杯の日本対コートジボアール戦が行われた。本田のゴールで先制したものの、後半立て続けに2点を奪われ、1-2で日本は黒星スタートとなった。

【状況を変えられなかった】
 ロイターは、ザッケローニ監督の試合後のコメントを紹介。いつもらしさがなく、「インテンシティ(激しさ)を欠いた」日本チームを嘆いたと報じた。

 「朝から肉体的にも精神的にもいい調子で、出だしもよかった」という監督の言葉通り、日本は前半本田のシュートで先制した。しかし、後半15分、相手チームがスーパースター、ドログバを投入。そこから試合の流れが変わり、ボニーとジェルビーニョに2発のヘディングを決められ、逆転負けした。

 ザッケローニ監督は、「選手は状況を変えたいと思っていたが、みんなで動く努力を怠った」と反省の弁を述べつつも、「次の2試合で、士気を高めていかなければ」と述べ、「いいゲームをすれば結果はついてくる」、「今までの結果は重要ではなく、チームがこれからすべきことが、重要だ」とコメントした(ロイター)。

【敗因はどこに?】
 米スポーツファン情報サイト『ブリーチャーレポート』で、コラムニストのヴィンス・シウ氏は、初戦を落とした日本チームに厳しい意見を述べている。

 まず、先制ゴールを決めた本田に対し、ゴール後のプレーがひどく、「不十分な作業量、ディフェンスでの怠慢は、軽率なパスと独創性のない試合後半30分と同様、やる気のなさを表した」と酷評。不振に悩むACミランを救える器ではないとした。

 チームとしては、攻撃力のある選手がいるにも関わらず、守りに入ったとし、岡崎は流れに乗れず、香川は救いがたいコンディション、前回大会大活躍の長友は、どこにいるのか分からない始末だったと辛辣コメントが続いた。

 シウ氏はさらに、ザッケローニ監督の采配を非難。オーラを持ったドログバを適切に投入し、試合の流れを変えた相手チームのラムシ監督の好判断に比べ、不振選手の交代時期を見誤っただけでなく、精神的支柱であったキャプテン長谷部を交代させ、被害を拡大させたのは最悪のミスだったと指摘した。

【フィジカルが弱い?】
 一方でシウ氏は、戦術的、人選的な問題以外に、暑さと雨で後半の日本はスタミナとペースを失ってしまったと分析。前半は組織力、意思決定、ポジション分析を組み合わせ、体格、体力での劣勢を乗り越えようとした日本だが、結局、フィジカル戦には勝てなかったと結論づけた。

 アジア王者として、日本はギリシャに挑み、グループ最強のコロンビアに立ち向かっていくだろうと見るシウ氏だが、1次リーグ突破のためには、まず日本チームのスターとリーダー達の奮起が必要だと、コラムを締めくくっている。

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Text by NewSphere 編集部