英国で人気の日産「キャシュカイ」、改良新型への評価は? 「有能なオールラウンダー」
日産の欧州部門が6月に受注を開始したミドルサイズSUV「キャシュカイ」新型が、現地で好評を博している。イギリスの自動車メディアは一新したデザインと、ファミリーカーとしての実用性に注目している。
◆一新したエクステリアとインテリア
新型はエクステリアとインテリアを大幅に刷新した。フロントエンドは再設計され、立体的な「コンマ型」(先の丸いくさび形)を取り入れた新しいデザイン言語が採用された。英カー誌(6月7日)は、「侍の鎧の鱗を模してデザインされた、シャープで薄型になったヘッドライト」を特徴に挙げる。以前よりも「ワルで引き締まった顔になっていることは間違いない。これはいい」と評価する。
インテリアは全体的に質感が向上し、より洗練されたデザインとなった。特に注目すべきは、スエードのようなアルカンターラ素材を取り入れたダッシュボード前部だ。落ち着きと高級感を演出している。また、360度カメラが搭載され、NissanConnect にグーグルのサービスが追加された。英トップ・ギア誌(6月12日)は、十分な室内空間や装備などを長所に挙げ、10点中7点のスコアを与えている。
◆パワートレインは十分だが、加速感は期待できない
新型キャシュカイでは、187bhpのe-POWERドライブトレインを選択可能だ。内燃エンジンは直接動力を供給せず、バッテリーの充電や電動モーターの駆動に使用される。
走行フィールについては、必要十分の駆動力になっているようだ。トップ・ギア誌は、「移動中に特別な感動を与えてくれるわけではない」と述べる。同誌はキャシュカイの走りを、「コップ一杯の水のようなもの」だとたとえる。その心は、「あなたの命をつないではくれるが、あなたの味覚をくすぐることはないだろう」とのことだ。
カー誌もほぼ同様の見解のようだ。日産は電気自動車(EV)特有の加速感があるとして売り出しているが、「実走行では、その言葉を裏付けるには至らなかった」という。e-POWER搭載のキャシュカイは243ft・lbsのトルクを生じるが、同誌がテストしたところ、「電気のみの走行でおなじみの、あの瞬時に引っ張られる感覚が欠けている」との結論に至った。一方、「EVのみのモードでは、e-POWERモーターは有能であり、乗り心地はしなやか」であったと評価している。
◆「有能なオールラウンダー」
一方で、ファミリーカーとしては非常に高い評価を得ている。英オート・エクスプレス誌(6月17日)は、e-POWER搭載のキャシュカイは「賢いハイブリッド」であり「有能なオールラウンダー」だと評価している。セアト アテカやミニ カントリーマンといったモデルにはドライビングの楽しさで及ばないが、アクセルを踏み込まない限りエンジン音がほぼ聞こえないなど、「洗練度は非常に高い」と述べている。
新型キャシュカイは、ユーザーのニーズに応じた幅広いトリムを揃える。エントリーレベルのAcenta Premium(3万135ポンド、約611万円)に始まり、N-Connecta、N-Design、Tekna、そしてフロントシートにマッサージ機能を備えた最上級のTekna+(3万8875ポンド、約788万円)まで多様なラインナップとなっている。
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