新生パナソニックに海外紙注目 テスラの電池工場「ギガファクトリー」に出資か?
アメリカの電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は22日、同社がアメリカで建設を予定している電池工場にパナソニックが提携相手として参画する公算が大きいことを明らかにした。
パナソニックはテスラの車載用電池を全量供給している。マスクCEOは「パナソニックが参画しないとしたら驚きだ」と語ったという。
パナソニックはプレス向けのメールで、現時点では何も決まっていないとしつつ、テスラとの「(関係)強化に向けてさまざまな選択肢を検討する」と述べた。
【テスラ・モーターズ】
テスラは2月、「ギガファクトリー」と称する、総事業費5000億円規模の電池工場の建設計画を明らかにしていた。大量生産で電池のコストを下げてEVを一挙に普及させようという目論見だ。
22日、マスクCEOはテスラ車を中国で初めて納車する北京での式典に出席。同社が中国全土に数百のサービスセンターを建設中であり、同社製EVの普及に向け中国でのサポート体制を強化すると述べた。今後3、4年以内には中国での生産も始める見込みだという。
【EV需要が制約ではない中国】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、マスクCEOは 「少なくとも現在、需要が制約となっているとはみていない。(それよりも)生産を拡大し、中国などで充電・サービスのインフラ整備を確実に進めることだ」と述べたという。
テスラは、顧客がそれぞれの居住地域で適切な技術的サポートを受け、充電基地も備わっていると確認するまで、北京や上海以外に車両を届けないと発表している。
【パナソニック、リスクを取るか】
ウォール紙によれば、先月、パナソニックの津賀一宏社長は記者会見で、テスラから提案された電池工場に投資するかと聞かれ、「現在のわれわれが行っている投資の中でも、これは最もリスクを伴うものとなる。現時点で投資に関するスタンスは明かせない」と慎重な調子で答えたという。
これに対してテスラのマスクCEOは、津賀社長の発言は誤解されていると語ったという。ウォール紙によれば、パナソニックは2017年に20億個の電池をテスラに供給するという契約にサイン済みなのだ。
これまでのB2Cビジネス主体から、リスクを厭わずB2Bビジネス主体に変わろうとするパナソニックとテスラとのパートナーシップの成否には、海外からも、そして日本国内からも注目が集まっている。
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