カールじいさんの家、フェラーリ博物館に泊まれる?! エアビーの新企画『アイコン』 とは?

Jordan Strauss / AP Images for Airbnb

 アメリカの民泊仲介大手Airbnb(エアビーアンドビー)が1日、新しい機能をリリース。宿泊先の新カテゴリ『アイコン』が追加され、話題を呼んでいる。

◆限定11件の特別な宿泊場所
 城、ビーチリゾート、ツリーハウス、コンテナハウスなど、さまざまなタイプの宿泊施設を検索できる機能に、このたび追加された新しいカテゴリが『アイコン』だ。アイコンは、ほかの宿泊場所とはまったく違うタイプのカテゴリで、音楽、映画、テレビ、アート、スポーツなどの関係する有名人がホストとなり、それぞれのカルチャーアイコンに関係した宿泊施設を開放するというものだ。宿泊が含まれるものの、体験サービスのエアビー・エクペリエンスに近い。

 今回リリースされた宿泊施設は11件。その内容は、ディズニー映画『カールじいさんの空飛ぶ家』のカールじいさんがホストとなり、映画の中に出てくる風船で吊り上げられた「空飛ぶ家」に1泊できるというものから、イタリアのマラネッロにあるフェラーリ博物館で一晩過ごすことができるというもの、パリのオリンピック開会式に合わせて、その様子が一望できるオルセー美術館の時計塔の内部に特別にデザインされたベッドルームに宿泊できるというもの、ボリウッドスターやアメリカのコメディー俳優の「邸宅」に滞在できるというものまで多種多様。

 エアビーCEOのブライアン・チェスキーは、「アイコンは、これまで想像の中にしか存在しなかった世界の中に行くことができてしまう体験。生活がますますデジタル化するなか、私たちは現実世界にさらなる魔法をもたらすことに注力している」とコメント。

 アイコンに登録されている場所は、ほかの物件と違って、いつでも誰でも宿泊できる場所ではない。決められた期間内に、なぜその物件に滞在したいのかといった理由を添えて、申し込み予約を入れる必要がある。応募の中からエアビー側が無作為にいくつかの候補者を選び、その後、応募内容を加味して、ゲストが確定するとのことだ。予約申し込みはアプリからのみ。渡航費などは自己負担だが、一部の物件を除いて滞在費はゼロである。

◆バービーのドリームハウスが成功
 今回、新たにリリースしたアイコンだが、同社は過去に実験的な同様のサービスを展開している。その一つが、昨年リリースした実写化映画『バービー』を記念して登場したマリブ・ドリームハウス。俳優のライアン・ゴズリングが演じたバービーのボーイフレンド、ケンがホストを務め、ケンの私物で埋め尽くされた、アイコニックなピンク色の豪邸に、2名のゲストが招待された。

 今回リリースされた物件は11件のみだが、同社は今後もアイコンの物件を追加していく予定だという。多種多様なカルチャーアイコンを展開することで、すべての人が楽しめるようにとの配慮がなされているとのことだ。

 アンリアルとリアルの世界を融合させた体験に、新たなニーズを見出したエアビー。現状のリスティングでは、日本の物件は含まれていないが、もしかしたら今後は、ジブリ映画の世界の再現など、国内外のニーズをひきつけそうな新物件が登場するかもしれない。

Text by MAKI NAKATA