『ストII』のキャラ設定は差別的? 海外メディアの指摘に賛否両論
カプコンの『ストリートファイターII』は、ゲームをしたことがある人なら誰でも知っているタイトルだろう。米ゲーム情報サイト『Polygon』が最近、同ゲームの制作秘話を掲載し、そのキャラクター設定が再び話題になっている。
【カプコンの大ヒットゲーム】
爆発的ヒットゲームを生みだしたのは、日米のエキセントリックな人材で構成されたチームだった。カプコンIRによると、オリジナルのスーパーファミコン『ストリートファイターII』は630万本、同『ストリートファイターIIターボ』は410万本、『ストリートファイターIIチャンピオンエディション』は165万本を売り上げた。同ゲームから香水まで作られたという。
米NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)『code switch』は、『ストリートファイターII』がジェネレーションⅩや新世紀世代の判断基準だったと指摘。多くの続編や、『モータルコンバット』や『鉄拳』を始めとする類似したゲームを生み出し、キャラクターの必殺技である「波動拳」など、技名である以外に意味を成さない言葉が文化的な用語に加わるほどの影響を及ぼしたとしている。
【キャラクター設定が人種差別的】
各メディアとも『ストリートファイターII』のキャラクター設定には、同世代のゲームに特有な人種差別的な要素があると指摘している。『code switch』ではキャラクターについて以下の点を挙げた。
・日本人のエドモンド本田は、相撲取りでホームステージは浴場。
・インド人のダルシムは痩せていて、ヨガをイメージした格闘スタイル。ホームステージは象のいる寺院。
・ブランカはブラジルのアマゾンで育った野生児。唸ったり呻いたりする。
・ガイルはアメリカの軍人で、金髪に迷彩服。ホームステージは軍事基地の戦闘機の前。
それぞれの文化に対する固定概念が反映されており、改めて差別的であることに気付かされると指摘した。
また『Polygon』は、ゲーム内唯一の女性キャラクターである春麗についてのゲームデザイナー岡本吉起氏の言葉を掲載した。女性は男性より弱いので、体力を示すライフバーを他のキャラクターより短くしようと考えていたという。米テック系ブログ『ubergizmo』は、性差別的であり、現代社会では考えられないことであるとコメントしている。
【読者の反応は?】
『code switch』に寄せられたコメントには、キャラクター設定が人種差別的という意見に関して否定的なものが多かった。
・それぞれの国の文化を象徴するキャラクターは差別ではない。
・自分の持っているブラジル人のイメージとは異なっているので、ブランカがブラジル人だとは気付かなかった。
・差別的という言葉があてはまるような、否定的なキャラクター設定ではない。
春麗の体力が他のキャラクターより低く設定されていたかもしれない点については、意見が分かれた。
・春麗のライフバーについてのコメントだけは差別的だ。
・女性の方が弱いということの何が性的差別なのか。スポーツの世界でも平均的に男性の方が体力面で勝っているので男女分かれている。現実的だ。
・現実世界ではそうかもしれないが、これはゲームの仮想世界で、春麗はスーパーヒーローのひとりなのだから、男性より弱いことを再現する必要はないのでは。
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