ガーナ議会、厳格な反LGBTQ+法案を可決 大統領署名しないよう国内外から要求
2月末、ガーナ議会がLGBTQ+の人権とLGBTQ+に関する促進活動を阻害し、処罰する法案を可決した。これに対し、国際社会から懸念の声が高まるとともに、大統領承認を前に同国の財務省から承認回避要求も出ている。
◆LGBTQ+関連のすべてを「違法」とする厳しい法案
法案の正式名称は「性的人権と家族観に関する法案(Human Sexual Rights and Family Values Bill)」とあり、25の条項が盛り込まれている。この法案の対象に関しては、非常に包括的でLGBTTQQIAAP+という用語が使われるとともに、内容も細かく明記されている。つまり、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)、トランスセクシュアル(Transsexual)、クィア(Queer)、クエスチョニング(Questioning、性自認が定まっていない人)、インターセックス(Intersex)、エイセクシャル(Asexual、無性愛者)、アーライ(Ally、賛同者)、パンセクシャル(Pansexual)、さらに「社会文化的な男女の考え、もしくは男女関係と相反する性および性的関係に関する社会文化的考えを持つ人」が、包括的にターゲットとなり、アドボカシー活動を行う人や性転換手術に携わる人も処罰の対象である。LGBTTQQIAAP+であることを公表し、性的関係性を持つものに対しては、750〜5000の違反点数(約11万円から70万円の罰金)もしくは2ヶ月から3年以内の懲役、あるいはその両方が科される。
この法案の発端は、2021年に首都アクラにLGBTTQQIAAP+関連のアドボカシー機関が開設されるという報道に対し、宗教関係者を含む各所から大きな批判が集まり、機関の閉鎖と関係者の処罰を求める声が上がったという出来事である。これを受けて、ガーナ国内で議論が活発化したという背景があるようだ。ゲイの人々が性的関係を持つことはすでにガーナでは違法で、最大3年の懲役が科される。今回の法案はLGBTTQQIAAP+に関する活動をさらに厳格に禁じるものである。
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