ウクライナ、ロシア石油施設への長距離ドローン攻撃を展開 石油精製量減少

ウクライナのドローン攻撃によりロシア西部サンクトペテルブルクのガス輸出港で爆発・火災が発生=1月21日|Telegram Channel of head of the Kingisepp district administration Yuri Zapalatskiy via AP

 ロシアによるウクライナ侵攻から2年がたとうとする今、前線では依然として膠着(こうちゃく)状態が続いている。状況を打開したいウクライナ軍は昨年12月末から、ロシア深部を新たな標的に加えた。ロシア領内の石油・ガス施設へのドローン(無人航空機)による長距離攻撃を相次いで展開している。大局への影響は現時点で限定的だが、ロシアの軍事用燃料供給に混乱をきたす可能性がある。

◆国境から600キロ離れた石油施設をドローンで攻撃
 ロイター通信によると、ウクライナのドローン2機が3日、ロシア南部にある国内最大級のヴォルゴグラード製油所を攻撃し火災を引き起こした。火災はのちに鎮火し、所有する石油会社のルクオイルはその後、製油所は通常操業に戻ったと発表している。国境に近いウクライナのハリコフから、600キロ以上離れた街での出来事だった。

 今年に入り、ロシアの石油施設は相次いで攻撃に巻き込まれている。ニューヨーク・タイムズ紙は1月19日、ロシアのクリンツィの町の石油備蓄施設が、ウクライナのドローン攻撃で火災を生じたと報じていた。ウクライナのドローンが貯蔵所に弾薬を投下したことで火災に至った。ロシア国営のタス通信によると、火災面積は約1000平方メートルに及び、4つのガソリンタンクが燃えた。ブリャンスク州のボゴマズ知事はソーシャルメディアへの投稿で、巨大な黒煙が立ち上る黒焦げの石油タンクの動画を公開した。140人以上の消防士が消火にあたったと説明している。

Text by 青葉やまと