ニュージーランド、化粧品の「永遠の化学物質」PFAS禁止

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 「永遠の化学物質」と呼ばれる有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」に対し、国際的に規制の動きが強まっている。環境保全先進国のニュージーランドは1月、世界で先駆けて化粧品への使用を禁止した。

◆化粧品へのPFAS使用禁止
 ニュージーランド環境保護庁(EPA)は1月30日、化粧品における「永遠の化学物質」と呼ばれる人体に影響を及ぼすPFASの使用を段階的に禁止すると発表した

 2026年12月31日より、PFASを含む化粧品のニュージーランド国内での輸入・製造を禁止。2027年12月31日からは、PFASを含む化粧品のニュージーランドでの販売または供給を禁止。2028年6月30日までにPFASを含む化粧品はすべて廃棄処分することを義務付けた。最終商品に有害性が認められなくても、製造過程でPFASが使用されている場合はすべて適用の対象になる。

 PFASは約1万4000種類の化学物質の総称で、水や汚れ、熱に強い製品を作るためにテフロン加工のフライパンやレインコート、ファストフードの容器などに使われ、分解されにくく、時間の経過とともに体内や環境に蓄積されることから「永遠の化学物質」と呼ばれている。

 化粧品では、ファンデーション、口紅、ネイルポリッシュ、マスカラ、シェービングフォームなどに、肌を滑らかにし塗りやすくするなどの効果を高めるため使用されている。EPAによると、国内の化粧品メーカーで現在PFASを製品に使用しているところはなく、影響を受けるのは同国に輸出している国外のブランドになる(ニュースハブ、1/24)。

 EPAの有害物質再評価マネージャーのショーン・プレソー博士は、「国際調査ではPFASはごく一部の化粧品から検出されたが、あらゆる潜在的なリスクを回避するため予防的措置を講じることにした」と述べた。また、「この規制強化によって、有害成分を含むが有害ではない化粧品も規制することが可能になった」とした。

 PFASはがんや先天異常、免疫異常など人体への影響との関連が国際的に指摘されていることから、泡消火薬剤など一部のPFASはニュージーランド国内ですでに禁止されている。

Text by 中沢弘子