女子は男子の4分の1、サッカーW杯の報酬格差 CNN調査

W杯フランス大会で優勝したアメリカチーム(2019年7月7日)|Francisco Seco / AP Photo

 7月20日から8月20日まで開催中の、FIFA女子W杯オーストラリア&ニュージーランド2023大会。活躍する各国の選手だが、CNNの調査によると、彼女たちへの報奨金は昨年の男子W杯で戦った選手たちへの報奨金と比較すると、4分の1であることがわかった。

◆格差は改善するも、平等からはほど遠い
 今年3月、FIFA会長のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)は、今回の女子W杯に向けて1億5200万ドル(約220億円)を投じると発表した。この額は、2019年のフランス大会の3倍の金額だ。1億5200万ドルのうち、1.1億ドルが報奨金に当てられる。そしてそのうちの4900万ドルが直接選手に渡る額で、少なくとも各選手に3万ドル(約440万円)、優勝チームメンバーには27万ドル(約3900万円)が渡される。残りの額については、加盟するチームに配分され、加盟チームの裁量で配分が決定されるとのことだ。ちなみに、2011年に日本の女子チームがドイツ大会で優勝した際に受け取った報奨金は1人650万円だった。

 W杯選手の報奨金のジェンダー格差は、2006・2007年時点では女子580万ドルに対して、男子2億3600ドルと約40倍もの差があった。2022・2023年の比較ではその開きは改善されたものの、女子選手への報奨金は男子の4.4億ドルと比較すると4分の1にとどまる。インファンティーノ会長は、次の2026年男子W杯、2027年女子W杯においては、報奨金の平等を実現させるとコメントしているが、格差が大幅に改善されるかについては疑問が残る。

 サッカー選手の報酬には、世界大会参加での報奨金以外に、所属クラブからの給与や企業スポンサー報酬なども含まれる。フォーブスの推定によると、2022年時点で、アメリカ女子サッカー選手の最高報酬は、アレックス・モルガン(Alex Morgan)とミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)の570万ドル(約8.3億円)。この額は、女子スポーツ選手の報酬額のランキングでは19タイ。一方で、男子サッカーのトップ選手であるクリスティアーノ・ロナウドの報酬額は1.36億ドル(約198億円)と推定されており、約24倍もの開きがある。トッププレーヤー全体で見ても、女子選手の年棒が男子選手の月給程度という差がある状況だ。

Text by MAKI NAKATA