松下幸之助の名言集 経営の神様と呼ばれた偉人が残した20の言葉

松下幸之助の名言集 経営の神様と呼ばれた偉人が残した20の言葉

Konektus Photo / Shutterstock.com

一流電機メーカーであるパナソニックを一代でつくり上げ、経営の神様と呼ばれた松下幸之助。発明家としても二灯用差込プラグやアタッチメント・プラグなどを開発し、成功を収めた彼の言葉は、今も名言として数多く残されている。

本記事では、松下幸之助が残した名言を20個紹介する。人生に悩んだときは、松下幸之助の名言が人生のヒントをくれるだろう。

松下幸之助のプロフィール

名前松下幸之助
国籍日本
出身地和歌山県和歌山市禰宜
生年月日1894年11月27日
死没年日1989年4月27日(享年94歳)
職業実業家、著述家、発明家

松下幸之助は、一流電機メーカーであるパナソニックホールディングスを一代で築き上げた実業家である。その経営手腕から「経営の神様」と呼ばれ、晩年には倫理教育の布教を目的としたPHP研究所や、政治家の育成機関である松下政経塾を設立した。

松下幸之助の生い立ち

松下幸之助は、和歌山県海草郡和佐村千旦ノ木(現在の和歌山市禰宜)で、父の政楠と母のとく枝との間に3人兄弟の3男として生まれた。当時の松下家は村の中でも有力な小地主で、かなりの資産家であった。

ここからは、松下幸之助が歩んできた経歴について詳しく紹介する。

大阪電灯(現関西電力)に入社

父である政楠の事業失敗によって、尋常小学校を4年で中退した松下幸之助は、丁稚奉公のために9歳で単身大阪に移った。大阪では、火鉢店や自転車店に奉公し、商売の基礎を学んだ。

その後、大阪に導入された路面電車を見て電気事業にあこがれを持った幸之助は、16歳で大阪電灯(現関西電力)に内線見習工として入社。後に活躍が見込まれて、工事担当者や検査員を歴任し、独立のため7年間勤務した職場を依願退職した。

松下電気器具製作所(現パナソニック)を創業

大阪電灯を退職後、電球ソケットの製造販売に精を出していたが、苦心の中で製作したソケットはどこの店に営業しても大きな売上には至らなかった。徐々に資金もなくなり、2人いた同僚も事業を辞めるほど窮地に陥ったが、1人黙々とソケットの改良に熱中した。

その後もソケットが大きく売れることはなかったが、並行して開発していた二灯用差込みプラグやアタッチメントプラグがヒットを記録する。電気器具に活路を見出した幸之助は、事業が軌道に乗った23歳のときに、松下電気器具製作所(現パナソニック)を創業した。

PHP研究所を創設

6年余りにわたって続いた第2次世界大戦後、日本は大凶作によって危機的な食糧危機に襲われる。その他にも、極度の仕事不足や道徳の乱れによって人々の心は荒廃し、日本は平和から遠ざかっていった。

そんな人々の姿に強い疑問を持った幸之助は、日本の繁栄によって平和と幸福をもたらすことを目的に、PHP(Peace and Happiness through Prosperity)研究所を創設。自らが率先して日本各地に出向き、研究会や勉強会を開催してPHPの理念布教に努めた。

松下政経塾を設立

その後、80歳で現役を引退した幸之助は、次代の指導者を育成するべく70億円を投じて財団法人松下政経塾を設立。他者から与えられて学ぶのではなく、自らが率先して研究して理解、体得する「自修自得」の理念を掲げ、各界の指導者育成に力を注いだ。
経営のみならず政界にも大きな貢献を果たした松下幸之助だったが、1989年に気管支肺炎のため、94歳で生涯の幕を閉じた。

松下幸之助が残した感謝に関する名言5選

松下幸之助が残した感謝に関する名言5選

fongbeerredhot / Shutterstock.com

松下幸之助は、生涯を通じて人間が幸福を得るために、どんなことでも感謝を忘れず生きることが大切であると説いた。

ここからは、松下幸之助が残した名言の中から、感謝に関する名言を厳選して紹介する。

お礼の名言

「「ありがとう」と言う方は何気なくても、言われる方はうれしい、「ありがとう」これをもっと素直に言い合おう」

お礼を言葉にすることの大切さを説いた名言。ありがとうと言われるだけで人は嬉しい気分になる。普段の生活から積極的にありがとうを言い合う習慣をつけよう。

幸福の名言

「感謝の心が高まれば高まるほど、それに正比例して幸福感が高まっていく」

感謝と幸福の関係を語った名言。感謝の心を持つほど人は幸福度が高まっていくため、常に感謝の心を忘れてはいけないのだ。

思いやりの名言

「経営者にとって大事なことは、何と言っても人柄やな。結局これに尽きるといってもかまわんほどや。まず、暖かい心というか、思いやりの心を持っておるかどうかということやね」

思いやりをもって人に接することの大切さを説いた名言。経営者にとっては経営の腕や仕事のスキルも大切だが、一番大切なのは人を思いやる心なのである。

言葉や行動の名言

「誠意や真心から出たことばや行動は、それ自体が尊く、相手の心を打つものです」

誠意をもって相手に接することの大切さを教えてくれる名言。相手のことを真剣に考えてことばを伝えたり、行動を起こしたりすることは、どんなテクニックよりも相手の心を打つ。

気持ちの名言

「恵まれた生活も結構だし、恵まれない暮らしも結構、何事も結構という気持が大切だと思います」

自分の生活に感謝の気持ちを持つ大切さを語った名言。どんな生活であっても今置かれている状況を真摯に受け止め、感謝することが大切である。

松下幸之助が残した仕事に関する名言5選

松下幸之助が残した仕事に関する名言5選

NicoElNino / Shutterstock.com

松下幸之助は、仕事を人の役に立つことの重要な行いとして捉え、よい仕事をしてこそ大きな対価が獲得できると説いた。

ここからは、松下幸之助が残した名言の中から、仕事に関する名言を厳選して紹介する。

商売の名言

「商売とは、感動を与えることである」

商売の心得を教えてくれる名言。商売はただ物やサービスを売るだけではなく、人々に感動を与えてこそ価値があるのだ。

教育の名言

「部下に大いに働いてもらうコツの一つは、部下が働こうとするのを、邪魔しないようにするということだ」

部下を正しく動かす方法を説いた名言。部下を気にするあまりに過度に干渉しすぎてしまう上司は多いが、部下に働いてもらうには個人の自主性を重視することが大切である。

助け合いの名言

「自分の仕事は、人の助けなくして、一日も進み得ないのである」

仕事を進める上で、他者との関わりを説いた名言。世の中のあらゆる仕事は、他者の助けがあって成立するものである。

サービスの名言

「十のサービスを受けたら十一を返す。その余分の一のプラスがなければ、社会は繁栄していかない」

他者から受けるサービスについて説いた名言。受けたサービスはそのまま返すのではなく、何か付加価値をつけることで社会が繁栄していくのである。

失敗の名言

「部下の失敗はただ叱れば良いというものではない。失敗を自覚している時には慰めも又必要です」

部下の失敗について語られた名言。失敗を指摘することも大切だが、失敗を自覚している部下には、状況に応じて慰めることも大切である。

松下幸之助が残した人生に関する名言5選

松下幸之助が残した人生に関する名言5選

Kite_rin / Shutterstock.com

松下幸之助は、9歳のときに丁稚奉公に出されるほどの貧乏生活を経験した後に経営者に成り上がるなど、波乱万丈の人生を送った。

ここからは、松下幸之助が残した名言の中から、人生に関する名言を厳選して紹介する。

生き方の名言

「どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである」

現在の生き方について教えてくれる名言。人生で大切なのは過去を悔いることでも、未来を心配することでもなく、現在を一生懸命生きることである。

志の名言

「志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ず開けるのである」

志を持つことの大切さを説いた名言。明確な志を立てれば年齢は関係なく、どんな人でも道は開けるのである。

反省の名言

「誰でもそうやけど、反省する人は、きっと成功するな。本当に正しく反省する。そうすると次に何をすべきか、何をしたらいかんかということがきちんとわかるからな。それで成長していくわけや、人間として」

反省することの大切さを教えてくれる名言。失敗した際は、ただ事実を受け入れるだけではなく、失敗した原因や正しく反省することで人間は成長する。

歩み方の名言

「いくつになってもわからないものが人生というものである。わからない人生を、わかったようなつもりで歩むほど危険なことはない」

人生の歩み方を教えてくれる名言。人生は何が起きるか分からないので、全て知ったように油断して生きると大事な場面で対応できない。

比較の名言

「人と比較をして劣っているといっても、決して恥ずることではない。けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである」

人との比較について説いた名言。自分を他者と比較して劣っているのは、何ら恥じることではない。本当に恥じるべきことは、過去の自分と比較して成長が見られないことである。

松下幸之助が残した学びに関する名言5選

松下幸之助が残した学びに関する名言5選

TippaPatt / Shutterstock.com

松下幸之助は、学ぶ姿勢として「自修自得」の大切さを説き、他者に期待するのではなく自ら積極的に学ぶことが成功につながると考えた。

ここからは、松下幸之助が残した名言の中から、学びに関する名言を厳選して紹介する。

向上心の名言

「学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である」

向上心の大切さを教えてくれる名言。人は学ぶ心さえ持っていれば、どんなことでも吸収していけるのである。

傾聴の名言

「よく人の意見を聞く、これは経営者の第一条件です。私は学問のある他人が全部、私より良く見え、どんな話でも素直に耳を傾け、自分自身に吸収しようと努めました」

他者の意見を聴くことの大切さを説いた名言。相手がどんな人であっても、貪欲に吸収することが成功への第一歩なのだ。

知恵の名言

「人間の知恵というものは、しぼればいくらでも出てくるものである。もうこれでおしまい。もうこれでお手上げなどというものはない」

人間の知恵について語られた名言。人間の知恵に限界というものはない。知恵が浮かばないからと言ってすぐにあきらめるのではなく、常に考え続ける姿勢が大切だ。

取捨選択の名言

「いくら熱心でもムダなことやったらいけませんで。それがムダかどうかは、あなた自身で考えなさい。これはムダなことかどうか、一つひとつ検討しなさい。必ずムダなことをやっているに違いない」

物事に対する取捨選択の重要性を説いた名言。現在取り組んでいることの無駄を省くには、ひとつ一つ地道に検討して取捨選択することが必要である。

行動の名言

「とにかく、考えてみることである。工夫してみることである。そして、やってみることである。失敗すればやり直せばいい」

行動することの大切さを教えてくれる名言。物事に取り組む際はとにかく行動を起こし、失敗を学びとして捉えることが大切だ。

松下幸之助が残した名言は人生のヒントをくれる

松下幸之助は、一流電機メーカーであるパナソニックを一代で築き上げた敏腕経営者だ。経営者としての技術だけではなく、人間教育にも熱心に取り組んだ彼の言葉は、私たちの人生を好転させてくれるだろう。人生で悩んだ際は、ぜひ松下幸之助が残した名言を参考にして欲しい。

あなたにおすすめの記事

ブルース・リーの名言集 伝説のアクションスターが残した20の言葉

瀬戸内寂聴の名言|ドラマチックな人生体験から紡がれる珠玉の言葉

太宰治の名言10選|波乱万丈な人生を送った文豪の生涯と作品を紹介

Text by NewSphere 編集部