イタリアが「文化的影響力1位」たる所以? 日本人も楽しみたい“身近な”イベントたち

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イタリアが「文化的影響力1位」たる所以? 日本人も楽しみたい“身近な”イベントたち

 米週刊誌USニューズ&ワールド・レポートが選ぶ「世界最高の国」ランキングの結果が3月9日に発表された。このランキングは、80ヶ国を対象に、「刺激・冒険」「市民権」「文化的影響力」「企業家精神」「遺産」「原動力」「ビジネスの市場開放度」「国際的影響力」「生活の質」の9項目を評価したものである。そこでイタリアは「文化的影響力」および「遺産」で1位を獲得した。その2つの項目の基準となっているファッション、料理、建築、美術館・博物館などは、世界中でイタリアが愛されている理由といえよう。

 日本でもイタリア文化に興味をもっている人は少なくない。毎年日本で開催されているイタリア関連のイベントがそれを裏付けている。また、常に人気旅行先ランキングの上位に入り、イタリアを訪れる日本人は多い。

 日本ではイタリアに関する情報が充実していると思われがちである。しかし、ガイドブックなどでは定番の観光スポットしか掲載されておらず、イタリア人と同じようにイタリア文化を楽しむことは容易ではないだろう。実はイタリアではより身近に文化を感じてもらうために、様々な企画が実施されているのだ。

◆日曜日に無料で入場できる文化スポット
「Domenica al museo」(日曜日に博物館へ)は2014年に始まった企画だ。毎月の第一日曜日に国立美術館・博物館、国立公園、遺跡などに無料で入ることができる。コロッセオや青の洞窟など、日本でも注目を集めている人気スポットも無料で入場可能だ。「Domenica al museo」プロジェクトに参加するスポットのリストはこちら(イタリア語のみ)。

◆夜中に文化を楽しむ「ホワイト・ナイト」
「Notte Bianca」(ホワイト・ナイト)とは、毎年フィレンツェをはじめ、様々な街で開催される文化イベントをいう。美術館・博物館が夜中まで開いており、入場が無料となっている。また、広場でライブやコンサートなどが開催され、暗くなってからも街が賑わっている。その日だけ地下鉄やバスが夜中の2時、あるいは翌朝まで走る。今年のフィレンツェの「Notte bianca」は4月30日に開催される予定だ。

◆ナポリで1ヶ月も続く「文化の5月」
「Maggio dei monumenti」(文化の5月)は、毎年5月にナポリで行われる文化イベントだ。1ヶ月にわたって博物館・美術館などに無料で入場できるうえに、街中でコンサートなども開かれる。今年の「Maggio dei monumenti」は4月28日から6月4日まで開催される。そのテーマは、ナポリ出身かつナポリの象徴である、「爆笑の王子」と呼ばれていた喜劇俳優のトト(アントニオ・デ=クルティス)だ。

◆屋外イベントも
 イタリア文化において古代ローマ時代から現代まで広場が重要な意味をもっており、「人が集まる」場として非常に重要とされてきた。現在も春から夏にかけて広場をはじめ、屋外で開催されるイベントが多い。ライブやコンサートはもちろん、昨年からナポリとローマではドルチェ&ガッバーナやフェンディといった有名なスタイリストのファッションショーも広場で行われた。

 また、1955年から毎年ローマのテヴェレ川に浮かぶティベリーナ島では「L’isola del cinema」(映画の島)という映画祭が開催される。今年も6月15日から9月15日まで、毎日夜7時から深夜2時までイタリアの国内外の映画が屋外で上映される。「L’isola del cinema」の公式サイトはこちら(イタリア語と英語のみ)。

◆屋外劇場でオペラとギリシャ悲劇を観賞
 夏になると映画とライブだけではなく、オペラや演劇も屋外で観ることができる。オペラが好きな人のなかではアレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭がよく知られているイベントだろう。それは、毎年夏にヴェローナにある古代ローマ時代の円形闘技場で夕暮れから開催されるオペラ公演のイベントだ。

 今年は6月23日から8月19日まで行われるこのイベントでは、オペラはもちろん、バレエやコンサートの公演も開かれるようだ。アレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭の公式サイトはこちら

 また、マグナ・グラエキア、つまり古代ギリシャ人が植民した地域の一部であるシチリア島では現在もギリシャ悲劇を観賞することができる。古代ギリシャの植民都市シュラクサイに起源を持つシラクサという都市にあるギリシャ劇場では、53回目を迎えるギリシャ悲劇・喜劇の公演イベントが5月6日から7月8日まで開催される。今年はアイスキュロスの「テーバイ攻めの七将」、エウリピデスの「フェニキアの女たち」およびアリストパネスの「蛙」が公演される予定だ。「シラクサのギリシャ劇場」の公式サイトはこちら(イタリア語のみ)。

◆若い世代から始まるイタリア文化の普及
 以上のように、イタリアでは美術館・博物館や歴史的建造物が数多くあるだけではなく、文化イベントも盛んに行われている。また、より多くの人にその文化を理解してもらうために文化財・文化活動省や各都市の市当局が様々な企画を実施している。

 そのなかで特に注目を浴びているのは、2016年から始まった「Bonus 500 euro」プロジェクトだ。これは、イタリアの若者に文化に触れるチャンスを与えるために、文化財・文化活動省が、18歳になった若者たちに、博物館・美術館、旅行、書籍、ライブやコンサートなどで使えるクーポン券を一人当たり500ユーロ(約6万円)分まで支給する企画だ。

 このような企画をもってイタリア政府は、若い世代にも国の文化をより深く理解してもらい、積極的に文化的影響力の強化に関わってもらうことを目指しているのだ。

(グアリーニ・レティツィア)南イタリア出身で、2011年から日本に滞在。ナポリ東洋大学院で日本文化を勉強してから日本の大学院に入学。現在、博士後期課程で日本現代文学とジェンダーを研究しながら、Webライターとして海外旅行、異文化、難民などについて執筆。

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