サンフランシスコに慰安婦像設置へ 地元団体が寄贈、市が承認 日本から抗議メール殺到

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サンフランシスコに慰安婦像設置へ 地元団体が寄贈、市が承認 日本から抗議メール殺到

 サンフランシスコ芸術委員会(San Francisco Arts Commission)は、2月6日に慰安婦像設置への最終承認を出した。アメリカの主要都市としては、初めての慰安婦像になるとのことで、日本からも計画に反対するメールが多く届いたという。地元サンフランシスコのメディアはこの問題をどう捉えているのだろうか。

◆地元の団体主導のプロジェクト。像は市への寄贈品として設置
 サンフランシスコ・エグザミナー紙によれば、慰安婦像設置はサンフランシスコ市の上級裁判所元裁判官の、ジュリー・タン氏とリリアン・シン氏が提案したものだ。両氏は、慰安婦像設置のための資金集めをし、第二次世界大戦中に日本軍によって「慰安婦」となることを強いられた韓国や中国などの国々の女性を代表する団体、Comfort Women Justice Coalitionの共同理事も務めている。

 像は、イギリス出身の彫刻家、スティーブン・ホワイト氏が製作し、今年9月にチャイナタウンのセント・メリーズ・スクエアに、同団体からの寄贈品として設置される予定だという。

◆像の碑文を巡り議論。最終案はややマイルドに
 像設置にあたり議論となったのが碑文の内容で、Comfort Women Justice Coalition側が作成した原案に様々なコメントが寄せられた。サンフランシスコ・エグザミナー紙によると、1月に行われた芸術委員会の碑文への承認投票の前に、Comfort Women Justice Coalition側が妥協案に応じて修正されたという。

 北カリフォルニアの日系紙、日米ウィークリーによれば、日系人コミュニティからの指摘を受けて、文章から「謝罪」という言葉が削除された。また、「戦争の戦略としての性的暴行は、政府が責任を負わねばならない人道に対する罪…」という部分に関しても、特定の政府の名指しは避けられ、「いわゆる慰安婦」という表現も「遠回しに慰安婦と呼ばれた」に変更されている。多くの人々が指摘した、慰安婦の数についても、「20万人以上」から「数十万人」に改められたという。

◆日本から抗議メール殺到。市側は困惑
 2月3日の時点で、像の設置に反対する220通のメールが芸術委員会に届き、そのほとんどが日本からのものだったという。メールは全般として、慰安婦の歴史に反論するもので、慰安婦像の石碑に刻まれる内容に疑問を呈すものあった。Comfort Women Justice Coalitionのジュディス・ミルキンソン氏は、これらのメールに対し「全くの見当違い」と述べている(サンフランシスコ・エグザミナー紙)。

 サンフランシスコのウェブメディア『sfist』は、慰安婦像設置反対を訴えるメールは、同メディアやこのニュースを報じた他のライターたちにも届けられたとしている。慰安婦の前提自体を否定するものが多く、いくつかは日本からのものだったとし、明らかに申し合わせて送られたものだと結論付けている。最近サンフランシスコ市長宛に送られたメールには、「サンフランシスコが慰安婦像設置を承認したので、反慰安婦像を建てる動きが全米で進むだろう」と書かれていたことを紹介し、悲しいことだが日本の虚偽情報を流すキャンペーンは続くだろうとしている。

 サンフランシスコ・エグザミナー紙によれば、慰安婦に人道的な観点から正義をもたらすことが必要で、人身売買へ目を向けさせる機会にもなるというのが、慰安婦像設置を支持する人々の考えだという。関係者は日系社会や日本への配慮もそれなりにしているつもりのため、日本人からの抗議には食傷気味のようだ。

 サンフランシスコの例を見ると、人道主義を主張する現地の人々と、歴史認識の問題だとする日本人の間で、話がかみ合わなくなっていると感じる。他にも海外で設置の動きは進んでおり、事態の複雑化が懸念される。

(山川真智子)

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