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イスラムのスカーフを脱ぎ捨てる女性、それを被る男性…イランで女性の自由を求める運動に

  • カテゴリー:国際
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イスラムのスカーフを脱ぎ捨てる女性、それを被る男性…イランで女性の自由を求める運動に

「イスラム教」と聞いて、頭にスカーフをまとう女性を思い浮かべる人は少なくないだろう。ヒジャブを着用させることで身体を隠して女性を抑圧しているとイスラム教を批判する声がしばしば上がるが、世界中の大半のムスリム女性にとっては頭を覆うか覆わないかは個人の自由である。

 一方で、公の場や親族以外の男性の前では、女性にヒジャブ着用を法律上義務付ける国もある。その一つであるイランでは反ヒジャブ運動が注目を集めている。

◆イランにおけるヒジャブの過去と現在
 イランを訪れる外国人女性にもヒジャブの着用を義務付けているために、世界中ではイランが女性を支配する保守的な国であるというイメージが定着している。しかし、70年代のイランの画像を検索してみると、ミニスカートを履いている女性の姿が検索結果に現れ、当時のリベラルな雰囲気を伝えてくれる。

 実は、イランにおけるイスラム原理主義の定着は、1979年に起きたイラン革命およびイスラム教シーア派の聖職者による統治体制の誕生以来のことである。ヒジャブも同じくイラン革命後に義務化されたのであり、今日まで続いている。

 現在9歳以上の女性は学校をはじめ公の場においてヒジャブを着用しなければならず、法律を破った場合は彼女らを監視している宗教警察によって罰金が課される。場合によって口頭警告が行われ、身柄拘束に至る事例もある。

◆ヒジャブを脱ぎ捨てる女性
 女性はヒジャブを着用し身体を隠すべきだと考えるイスラム教徒は、クルアーンを紐解きながら、神は信仰する女に対し、視線を下げ、慎み深い服装をつけるよう命じた、と主張する。また、身体を隠すことによって性的対象と見られることを避けることができるがゆえに、性犯罪を防ぐためにもヒジャブが必要不可欠であると述べる。

 その一方、近年、このような考え方が宗教とは関係ないこと、市民を支配する手段にすぎないことを主張する人々が現れるようになった。その中でイランの女性ジャーナリストMasih Alinejad(マシー・アリネジャド)さんが始めた「My Stealthy Freedom」プロジェクトが世界中で注目を浴びている。

「My Stealthy Freedom」運動は一枚の写真から始まった。長い間ヒジャブの着用を強いられたアリネジャドさんは、ある日ヒジャブを脱ぎ捨て、その写真をSNSにアップした。彼女にならって、次々にイランに住んでいる女性たちがヒジャブを脱ぎ、「My Stealthy Freedom」のFacebookページにその写真をアップした。また、ヒジャブを着用せずにイランの道を歩く女性に対する男性の反応を映した動画もアップされた。意外なことに、そこに映された男性たちは、批判的な視線も投げず、侮辱的な発言もしなかったのである。

◆妻、母、姉妹の代わりにヒジャブを被る男性
 イランの男性は、ヒジャブの着用を拒否する女性を批判するどころか、「My Stealthy Freedom」運動を支持する人が多い。彼らはアリネジャドさんの呼び掛けに応え、妻、母、姉妹などのヒジャブを被った写真を次々にSNSにアップしている。

 アリネジャドさんが述べているように、イランの男性にとってヒジャブを被り身体を隠す女性は日常の風景であり、当たり前のように考えている人は少なくない。しかし、妻、母、姉妹のヒジャブを被ることによって、イランの男性たちが身をもって女性の抑圧を体験し、その女性たちの自由を訴えるようになるのではないかと思われている。

 ユーモラスで笑いを誘うような写真、同情や怒りを呼び起こすような写真、「My Stealthy Freedom」のFBページに溢れるイランの男女の表情と言葉が、女性の身体を支配する制度に反抗しながら、世界に知られていないイスラム教の側面を見せてくれる。

(グアリーニ・レティツィア)南イタリア出身で、2011年から日本に滞在。ナポリ東洋大学院で日本文化を勉強してから日本の大学院に入学。現在、博士後期課程で日本現代文学とジェンダーを研究しながら、Webライターとして海外旅行、異文化、難民などについて執筆。

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