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なぜ韓国・朴大統領はG7に参加せずアフリカを訪問したのか…得られた重要な成果とは?

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なぜ韓国・朴大統領はG7に参加せずアフリカを訪問したのか…得られた重要な成果とは?

 日本でG7サミットが開かれていたちょうどその時、韓国の朴大統領はアフリカを訪問していた。G7サミットにオブザーバー参加する機会を蹴ってアフリカ外遊を優先したのは判断ミスだと批判する韓国メディアもある。だが朴大統領にとって、このアフリカ訪問には、核開発を進める北朝鮮にプレッシャーをかけるという重要な目的があった。そしてそれは成果を挙げたようだ。

◆韓国はなぜアフリカに目を付けたのか
 朴大統領は25日より、エチオピア、ウガンダ、ケニアのアフリカ諸国、そしてフランスへの12日間にも及ぶ外遊に出ている。このうち、28~30日のウガンダ訪問は特に注目を浴びた。ウガンダは「北朝鮮の東アフリカ拠点」とも呼ばれる(中央日報)ほど、北朝鮮との関係が深いからだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)はウガンダについて、アフリカにおける、北朝鮮の最も緊密な同盟国の1つと語っている(正式な同盟国ではない)。

 またエチオピアも、北朝鮮との関係が深い国とされている。中央日報は、ウガンダと並んでエチオピアも北朝鮮の「友邦」として挙げ、両国ともに北朝鮮と長い間のコネクションがあるとした。

 中央日報によると、韓国外交部のある当局者は「今回の訪問は経済協力、開発協力だけでなく、対北圧力も念頭に置いて計画した」もので、「核・ミサイル挑発後、北の友邦を集中攻略する一連の対北圧力・孤立外交」(の一環)だと説明したという。WSJは、朴大統領は北朝鮮の核兵器開発を妨げるために、北朝鮮の外交、経済ネットワークを分断しようと務めている、と語っている。

◆軍事関連の輸出は北朝鮮にとって重要な資金源
 ウガンダは、反植民地闘争の過程で北朝鮮の支援を受けた(中央日報)歴史があり、北朝鮮との軍事面でのつながりが強い。聯合ニュースによると、イギリスから独立した直後の1963年に北朝鮮と外交関係を結び、軍事分野でも緊密な協力関係を維持してきた。WSJによると、1970年代前半、ウガンダと北朝鮮は軍隊の訓練、武器提供の合意を結び、以来、北朝鮮はウガンダにとって、訓練、武器メンテナンスといった支援サービスの主要な提供国となっているという。

 北朝鮮にとってこのような関係は重要である。というのは、軍事関連輸出は、何十年もの間、北朝鮮にとって重要な資金源であり続けているからだ(WSJ)。さらに、国連安保理が現在課している制裁の下では、北朝鮮は、あらゆる武器取引、訓練請負を含め、他国とのいかなる軍事的つながりも禁じられている(同)。それにもかかわらず、ウガンダは北朝鮮との軍事関係を維持してきた。英国王立防衛安全保障研究所のアンドレア・バージャー上級研究員によると、ウガンダ(とイラン)のような国は、北朝鮮との政治的、軍事的関係が深く、また主要な欧米武器市場をたいてい利用できないため、北朝鮮への国際的制裁を無視する可能性が最も高い、とのことである(WSJ)。

◆北朝鮮の核開発をストップさせるためにアフリカでの北朝鮮のポジションを奪う
 韓国・朴大統領はそこに目を付けた。北朝鮮の核実験後、北朝鮮への外貨の流入を食い止めることを韓国は追求している、とWSJは語る。韓国の狙いは、アメリカと同じく、核計画のための資金不足に北朝鮮を追い込むことと、核兵器をめぐる交渉を余儀なくさせる経済危機を作り出すことだという(ただし今のところ、この戦略がうまく機能している兆候はない、とWSJは語っている)。

 そこで韓国政府は、ウガンダなどと北朝鮮の軍事協力を弱めるために、自ら、アフリカとの軍事協力を開始する作戦に乗り出した。外遊直前の24日の聯合ニュースによると、これまでアフリカとの軍事協力はほぼなかったが、今回の訪問を機に軍事協力を始めることになるという。韓国にとって期するところの大きな訪問だったのだ。なお大統領は外遊に国防次官を帯同している。

 聯合ニュースによると、(軍事協力のうち)特に防衛産業協力の強化には、北朝鮮がアフリカに築いてきた軍事協力のネットワークを土台から揺るがす効果がある、と韓国国防部が説明しているという。また韓国軍関係者は「アフリカとの軍事外交により、北に対する国際協調を一層強化することになる」とし、特に防衛産業協力の強化は北朝鮮の武器輸出の道を断つ効果があるとの期待を示したそうだ。

◆ウガンダが北朝鮮との軍事関係の廃止を宣言?
 そして29日には、韓国の試みがうまく行ったことを示す報道があった。聯合ニュースによると、29日、朴大統領とウガンダのムセベニ大統領の会談を機に、両国は国防協力を強化することで一致。両国の国防当局は、情報交流、教育訓練、防衛産業、軍事技術分野で協力を強化する内容の了解覚書を締結した、と韓国大統領府が発表したことを伝えた。国防分野での締結は、1963年の国交樹立後、初めてとのことだ。

 一方、ウガンダと北朝鮮の間では、これまですでに軍事協力協定や軍事施設の建設支援の了解覚書などが結ばれ、武器取引も行われてきたという。聯合ニュースは、ウガンダと韓国の国防分野の協力強化は、ウガンダと北朝鮮の(その)軍事協力を断つ効果があると期待される、と語っている。

 加えて、韓国の試みの成功をさらに確実なものに見せる報道があった。中央日報によれば、ムセベニ大統領は29日、安保・軍事・警察分野での北朝鮮との協力中断を宣言したという。朴大統領との首脳会談で、ムセベニ大統領が「北朝鮮との安保・軍事・警察分野の協力中断を含め(国連)安保理決議を忠実に履行するよう関係部署に指示した」と述べたことを、韓国大統領府の金奎顕・外交安保首席秘書官が伝えたそうだ。

 ウガンダが北朝鮮との長年続いた軍事協力を打ち切るとなれば、北朝鮮には大きな圧迫となり、韓国にとっては、外交面で大きな一歩となるだろう。WSJは朴大統領にとって勝利となるものだとしている。

◆ウガンダの姿勢に二転三転の報道
 ところがこれに水を差す報道があった。AFP通信によると、ウガンダ政府の副報道官が29日、韓国側の発表について「事実ではなく、プロパガンダだ」とAFP通信に語ったそうである。「仮に大統領がそのような指示を出すことがあったとしても、それを公開で行うことはあり得ない。ゆえにそれが事実であるはずがなく、起こり得ない。あれ(韓国の発表)は国際政治の策略だ」と語ったという。

 韓国側の発表は、何かの間違い、勇み足だったのだろうか?

 ところが、またもやこれをひっくり返す報道が現れた。聯合ニュースによると、同日、ウガンダのクテサ外相が、現地メディアのインタビューで「われわれは国連の制裁(決議)に基づき、北朝鮮との協力を中断する」と発言したというのだ。聯合ニュースは、外相発言はAFP通信の報道を事実上否定したことになる、としている。

 聯合ニュースは、ウガンダ政府内の北朝鮮寄りの一部関係者がムセベニ大統領の発言に反発したことにより、韓国大統領府の発表を否定する報道が出たとみられる、としている。同府関係者は「ウガンダ政府内で問題が生じたものとみられるが、それほどウガンダ政府が立場を転換するのは難しいことであり、(韓国が)困難な合意を引き出したことを証明するできごとだ」と語り、画期的な成果だったことを強調している。

(田所秀徳)

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