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同性婚家庭には赤の他人の「第3の親」を加えるとよい? オランダが模索する家族の新形態

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同性婚家庭には赤の他人の「第3の親」を加えるとよい? オランダが模索する家族の新形態

◆愛する相手に性別の「差」は不要
「母の日になると、プレゼントを2人分買わなくちゃいけないから、それがちょっとした出費になるかな?」。そう言って、14歳の少女は屈託なく笑った。彼女は、父親の顔を知らない。どこにいるのかさえ、わからないという。その代わり母親なら、2人いる。年頃の少女の悩みに適切なアドバイスを与え解決に導き、常にサポートしてくれる頼もしい母親たちのことを、彼女は心から尊敬している。

 2000年12月、世界初の 同性結婚法が成立したオランダには、この少女のように母親を2人持つ子どもや、父親を2人持つ家庭に生まれ育った子どもたちがたくさんいる。「私のパパは、ドナー(精子提供者)」とか、「僕には、卵子提供者と代理母の2人の母親がいるんだ。でも、家族として一緒に暮らしているのは父親2人だよ」など、家族形態も実に様々である。オランダでは、父親プラス母親イコール夫婦はひとつのオプションに過ぎず、両親が同性であっても、特別視されることはまずない。同性でも異性でも、人を愛する気持ち自体に何ら変わりはない、と考えられているからだ。

 しかし、同性愛者たちが現在の市民権を得るまでには、長い道のりがあった。同性の恋人を自分の両親に紹介するとき、少し悩んだと答える人たちがいるのはやはり、誰もが諸手を挙げて賛成したわけではなかったのだ。「同性愛者」と呼ぶこと自体がタブーであるにもかかわらず、異性を愛せない人間に理解を示さない人も、都市部以外の地域では未だにいると聞く。

◆親と子どものクッション役
 子どもを持つ同性愛者たちにとって、生活の中心はやはり何をおいても育児である。彼らの子どもたちは養子、またはドナー提供者や代理母を介し誕生した子どもたちだが、前者の場合は実の親、そして後者の場合は代理母による度を越した育児介入などが、子どもの成長に芳しくない影響を及ぼす問題も出てきている。親としての権利をもっとも行使できるのは、一体誰なのか?ということが問題の焦点となっているのだ。

 この場合、矢面に立たされるのは子どもたちだ。彼らは、自ら選択して同性愛者の家庭に生まれてきたわけではない。しかし周囲にいる血縁者たちだけが文字どおり、「血のつながり」を理由にして、過度干渉してくるわけだ。ドナー提供者や代理母たちにも、もちろん言い分はある。生まれてきた子どもは彼らにとって「里子に出した実の子」であり、育児に関して口を出すのも当たり前だというのだ。しかし子どもたちは、お互いエゴをぶつけあう複数の親たちを必要としてはいない。

 この問題を解決するため、各自治体の生活サポート部が奨励しているのは、同性愛者カップルの家庭にあと1人、赤の他人を家族の一員として迎え入れることだという。この赤の他人は中立的な立場で感情を交えず、冷静な判断を下すことにより血縁間の問題を解決する役割を担っているという。ちなみにこの「第3の親」になれるのは親族以外の異性であれば、友人でも同僚でも誰でもよく、週に1日~3日間ほどを同じ屋根の下で暮らしながら、家庭内の調停役を務めるわけだ。果たして彼らは血縁関係のもつれをすっきり解決し、子どもたちを守ることが出来るのだろうか。半信半疑でトライした、というある同性愛者カップルによれば、第3者が家族の一員に加わったお蔭ですっかり血縁間のもつれも解決したというから、それなりの効果はあるのだろう。

 人を愛することは自由であり、各人が擁する権利のひとつともいえる。相手の性別にこだわらず、愛する者と生涯を共にすることが法により認められたこの国で、今後はどのような家族形態が生まれるのだろうか。

(カオル イナバ)

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