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上海株:中国政府の介入で“投資不能な市場に” 海外投資家の撤退の動き加速

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上海株:中国政府の介入で“投資不能な市場に” 海外投資家の撤退の動き加速

 乱高下を続けている中国の株式市場は14日、4営業日ぶりに下落した。上海総合指数は前日比1.2%安の3924.49で取引を終了。海外投資家が中国市場から続々と撤退しているという報道もあり、中国株式市場を巡る懸念は依然強い。海外メディアには、「株式市場の死」(ロイター)、「モラルハザード」(ブルームバーグ)、「中国株への不安」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙=WSJ)などのネガティブな言葉が広がっている。

◆「投資不能な市場になった」
 ブルームバーグは、14日の下落は、15日発表の4-6月期の中国の国内総生産(GDP)統計が成長鈍化を示すと予想されるなか、「最近の株高は行き過ぎとの懸念が広がった」ためだとしている。金融と素材株が下げの中心となった。また、ブルームバーグの集計によると、暴落後、上場企業の半数以上が取引停止になっていたが、14日の段階では全体の27%まで減ったという。

 上海の証券会社のアナリストはブルームバーグに対し、「中国政府が株式相場の安定化として望んでいる水準は上海総合指数で4000のようだ」と指摘。「最近の株高の後、相場がこの水準で落ち着くまで若干時間がかかるかもしれない」とコメントしている。

 一方、英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、海外投資家が中国株からの撤退の動きを加速させていると報じている。それによれば、14日の「上海・香港ストックコネクト」(上海証券取引所と香港証券取引所による株式の相互取引)では、中国株の売り手の中心は海外投資家だったという。同紙は、「海外投資家たちは7月6日以来、中国株を442億元(71億ドル)カットしている」と記している。国際投資運用会社GAMの投資ディレクター、マイケル・ライ氏は「(当局による)積極的な市場介入は、自暴自棄とパニックをもたらす。最後の一撃は、上場企業の半分を取引停止にしたことだ。これにより、(中国)株は、投資不能な市場になった」と、FTに述べている。

◆過度の市場介入は「中国株式市場の死を意味しかねない」
 パリに本拠を置くグローバル金融機関「BNPパリバ」のエコノミスト、ジャクリーン・ロン氏は、中国共産党政府による株式市場救済措置は「今のところは、市場のパニックを制御し、金融リスクを回避することに成功している」と見ている。しかし、「株価を上げるため、上場企業にポジティブなニュースを報告するよう求めるなど、いくつかの措置は人々を驚かせた」と、政府介入の行き過ぎも指摘している(FT)。

 日本の投資ストラテジスト、武者陵司氏(武者リサーチ代表)は、ロイターに寄せたコラムで、「中国の共産党政権がいよいよ本性をむき出しにしてきた」と記す。同氏は、今回の暴落局面で中国政府が繰り出した一連の相場テコ入れ策(「当局の大号令に従った大手証券会社21社による1200億元(約2兆4000億円)規模の上場投資信託(ETF)購入」「新規株式公開(IPO)の承認凍結」「大量保有株主による株式売却の半年間停止」「悪意ある空売りの懲罰」など)は、「市場経済システムを採用している国から見れば、もはやあり得ないものばかりだ」と喝破する。

 武者氏は、今後も中国政府は「信じがたい手を繰り出してでも株価のさらなる暴落を食い止めるだろう」と予想。その上で、「株価はいうなれば経済の体温計である」とし、「その『目盛り』を意図的に変えてしまうことは市場原理の否定そのものであり。グローバルな尺度で見て中国株式市場の死を意味しかねない」と警告している。

◆いびつな信頼がもたらす市場の「モラルハザード」
 WSJも、「中国政府がこれまで実施しているのは異例とも言える強引な措置」と記す。同紙は、「中国の指導者は明らかに、株式市場の動向についてうろたえている」と指摘。今後さらに強引な対策が続けば、「実体経済に対する懸念が高まったことを示す兆しになるだろう」としている。

 同紙は、別の記事でも、投資家やアナリストらは、「中国株式市場の危機がもたらす政治的・経済的影響は長期化が避けられないと指摘している」と報告している。同紙のインタビューに応じた識者らは、以前から不安定だった中国株式市場の発展は、もはや全く見込めない見通しだと指摘。一部では、それが既に低迷している中国経済全体に打撃を与え、共産党の経済運営に対する信頼性が冷え込むという予想も出ている。

 一方、ブルームバーグは、両親から20万元(約400万円)を借りて中国本土株に無断でつぎ込んだ浙江省杭州市の男子大学生の苦悩を通し、「中国市場におけるモラルハザード・リスクの高まり」を指摘する。この学生は、暴落を受けて一時は損失を確定させようと保有株を手放そうとしたが、「中国当局がその後相場の下支えに乗り出したため、眠れない夜を我慢し、両親に内緒のまま投資を続けることを決めた」という。

 しかし、このように何があっても当局が株価を下支えするという、市場原理に反したいびつな“信頼”は、「バブルをあおるリスクを抱える」ことにつながると、ブルームバーグは指摘する。JPモルガン・アセット・マネジメントのアジア市場チーフストラテジスト、許長泰氏(香港在勤)も、同記事中で「相場が下げても常に当局が手を差し伸べるという印象を市場に与えたくはないものだ」と嘆息している。

(内村浩介)

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