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ギリシャのユーロ離脱危機…フランス、オーストリアにも飛び火か 高まるEU崩壊の懸念

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ギリシャのユーロ離脱危機…フランス、オーストリアにも飛び火か 高まるEU崩壊の懸念

 5日の国民投票で、IMF(国際通貨基金)・ECB(ヨーロッパ中央銀行)・EUの「トロイカ」が斡旋する財政緊縮策に、ギリシャ国民はNOを突き付けた。事実上デフォルト(債務不履行)状態のギリシャで注目を集めているのが、ユーロ圏を離脱するのか否かである。主に筆頭債権国ドイツが「返済か離脱か」の圧力をかけているのだが、ギリシャを含め「PIIGS」と呼ばれるスペイン・ポルトガル・イタリアなどのヨーロッパの過重債務国だけでなく、オーストリアやイギリス、フランス、ドイツなどG7主要国でも、ユーロ離脱=EU離脱を求めるナショナリズムが高まりつつある。

◆「EU離脱」と「国民投票」は独仏とギリシャの駆け引きのカード
 ここに至る経緯を振り返っておこう。ギリシャの経済危機は2009年、新民主主義党からパパンドレウ率いる全ギリシャ社会主義運動への政権交代の際、旧政権の巨額赤字隠しが露見し、翌2010年に国債・通貨・株価がトリプル下落となったことから始まる。ギリシャはEUとIMF、ECBに金融支援を求め、トロイカはギリシャに財政緊縮や民営化等による財政赤字削減計画の実行を条件に、第一次救済を行ったが、2011年は目標未達成となった。

 トロイカはさらなる緊縮とギリシャ民間債務負担率50%での基金5倍増額等、第二次救済を提示した。それに対しパパンドレウ政権がその是非について「国民投票」を実施すると発言し、金融不安が拡大。ドイツ・フランス首脳が支援凍結とユーロ離脱をほのめかして圧力をかけ、国民投票を撤回した経緯があった。パパンドレウ政権は退陣し、翌年の総選挙で緊縮政策に反対する若きチプラス率いる左派が躍進するも、前ECB副総裁を首相とする緊縮受け入れ派が政権を取った。しかし今年1月の総選挙でチプラス首相が誕生し、今回、パパンドレウ政権が求めた幻の国民投票を実現した格好である。

 週明け早々、ドイツとフランスの首脳は会談を行い、改めてチプラス政権に信頼に足る財政再建案の提示を求めた。両国は、ギリシャの件が他の過重債務国に飛び火し、ユーロ圏が金融危機に陥ることを懸念している。一方、チプラス首相は7日、EU本部のあるブリュッセル入りした。国民の支持を後ろ盾に、債務軽減や追加支援など、「トロイカ」に譲歩を迫る構えである。

◆ヨーロッパ金融安定基金(FESF)とEU内の「南北問題」
 ブルームバーグ(7日付)は国民投票後のギリシャが取りうる選択を次のように解説した。まず「Grexit」(Greeceとexitの合成語)、すなわちギリシャのユーロ・EU離脱である。2つ目は、トロイカとの再交渉が何の進展もない場合で、銀行封鎖が長引き、自国発行通貨の導入に至り、また選挙や国民投票からトロイカとの再交渉の果てに債務放棄や減額などの救済措置が講じられることである。結局、「ユーロ離脱か残留か」の二者択一プラス救済措置の選択しか、ギリシャにもEUにもないということのようだ。

 債務超過を理由とする国債などの格付け低下に発した経済危機を教訓に、EU27ヶ国の参加でヨーロッパ金融安定基金(EFSF、後にヨーロッパ安定メカニズムESM)が設けられ、ユーロ債を発行して市場から資金を調達し、ギリシャを始めPIIGS諸国への金融支援が行われた。同基金が発行する債権に髙格付けが行われてECBやIMFからの借り換えを受けられるように、ドイツやフランスなど最上位格付けを持つ6ヶ国が高額の保証負担国となっている。ギリシャを始めとするEU内の被支援国にとって、ドイツやフランスは借金の出資者であり、ECBやIMFへの借金の保証人でもあるが、ドイツやフランスなどの強い経済が、基軸通貨ドルに対するユーロ価格を高く保っている。同じEU内でも弱い経済力の債務国にとって、ユーロ建ての債務返済はより負担が大きくなるため、この仕組みによってよりギリシャ財政が追い込まれたとの批判は、当を得ている面がある。

 一方でドイツやフランスなどの国民は、なぜ自分たちの労働の結晶が浪費国の赤字埋め合わせに使われるのか、不満を持っている。こうしたことから、債権国・債務国双方のなかから、「ユーロ圏=EU離脱」が次第に公然と唱えられるようになっている。

◆ユーロ・EU離脱要求とナショナリズムの台頭
 今年3月にギリシャのカメノス国防相は、ドイツ紙のインタビューで「もしギリシャがユーロを離脱すれば、次はイタリアかスペインが続く」とドイツを牽制した。

 PIIGS諸国は想定内ともいえるが、「ギリシャの次はイギリス、フランス」という声には多少驚かされる。ブルームバーグによれば、次期大統領最有力候補といわれるフランス極右政党・国民戦線の党首ルペン氏は、「今日私たちはGrexitについて話しているが、明日はBrexit(英国の欧州連合=EU離脱)、そしてあさってはFrexitだ」とインタビューで語っている(6月25日)。

 5月のイギリス総選挙で勝利した保守党が、2017年末までにEU離脱の是非を問う国民投票を行うと宣言したことは、記憶に新しい。イギリスはユーロ圏ではないが、キャメロン首相の狙いは、EU内の自由な移動の保障によってイギリスに労働移民がこれ以上増えないように、EUを改革することだと言われている(ロイター5月22日)。

 ヨーロッパで最も裕福な国の一つであるオーストリアでも、国会にEU離脱の国民投票を議論するよう求める署名が26万人集まったという(ロシア・トゥデイ7月2日)。規定は10万人以上なので、国会はその是非を議論しなければならない。発案者はギリシャ経済危機がEU離脱運動を始めるきっかけとなったと語っているという。

 スペインのラホイ首相は6月30日にラジオ局カデナ・コープに対し、「ギリシャがユーロ圏を離脱すれば人々は、将来他の国がユーロを放棄しかねない」と、ドミノ倒しになるリスクを指摘したという(ブルームバーグ7月3日)。

 ヨーロッパ共同体の理想は、財政破綻、失業、経済格差、移民の増加などの、EU内の富と手段の偏在がもたらす問題の前に、潰えようとしているのだろうか。

(相庭烈)

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