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NASAも注目する「ミウラ折り」とは? 日本の折り紙技術、宇宙発電などに応用進む

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NASAも注目する「ミウラ折り」とは? 日本の折り紙技術、宇宙発電などに応用進む

 NASAでは現在、折り紙を宇宙開発に応用する研究が進められているという。日本に古くから伝わるアートの折り紙と、最先端技術の塊である宇宙開発という異色の取り合わせが、海外メディアからも注目を集めている。

【折り紙に詳しいNASAの機械工学者がプロジェクトの中心】
 この研究が行われているのは、アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)だ。JPLはこれまでに数々の探査機や観測衛星を開発している。太陽系の全ての惑星に探査機を送り込み、特に火星へは、探査機を着陸させ、地上からの観測に成功するなど、宇宙探査の中心的存在だ。

 NASAがJPLのニュースとして伝えたところによると、研究の中心人物は、JPLの機械工学者ブライアン・トリーズ氏だ。氏は高校時代、留学生として日本で過ごしたことがあり、当時、ハンバーガーの包み紙で、よく鶴を折っていたという。また図書館の本で、折り紙のさまざまな技法を学んだとのことだ。

 氏は、ブリガムヤング大学の研究者や、プロの折り紙アーティストであるロバート・ラング氏らと協力して、宇宙飛行体に、この折り紙の技法を組み込むというアイディアを追及している。このラング氏は、物理学者としてのキャリアも持ち、折り紙の数学的研究にも造詣が深い。美術論評サイト『ハイパーアレジック』によると、氏は長年、折り紙を科学分野において促進する活動を積極的に行っているとのことだ。

【折り紙の技法を利用するメリットとは?】
 折り紙の技法を宇宙開発に活用することのメリットは何だろうか。アート業界に特化したニュースサイト・米『アートネット・ニュース』が着目するとおり、それはサイズと、宇宙空間での作業の軽減だ。

 主な用途としては、太陽電池パネルへの応用が考えられている。将来、巨大な太陽電池パネルが、「宇宙太陽光発電」で用いられる可能性がある。これは、宇宙空間で発電を行い、マイクロ波などの形で、地上に電力を送信する、というものだ。

 ロケットで宇宙へ運搬できる荷物の量は、極めて限られている。もし、太陽電池パネルをコンパクトに折り畳むことができれば、1回のロケット発射で、部品に分解せずに打ち上げることができる。宇宙では、ただ広げるだけで済み、トリーズ氏が強調するとおり「宇宙飛行士による組み立て作業を必要としない」のだ。

 トリーズ氏らの開発する太陽電池パネルは、直径25メートルを、渦を巻くようにして直径2.7メートルにまで折り畳むことができる。開発チームは、開いたときの直径が1.25メートルとなる“20分の1スケール”の試作モデルを製作した。その映像がNASAによって公開されているが、その様子は「花が開いていくようだ」と、複数のメディアが形容している。

【折り紙の過去と未来】
 ウォールストリート・ジャーナルのブログ『日本リアルタイム』は、海外読者向けに、“Origami”は「折る」と「紙」を指す日本語に由来する、と説明する。紙を折る日本のアート(技術)であり、鳥や獣、その他もろもろの興味深い形を作り出す方法として、長らく知られている、と語る。「日本折紙協会」のウェブサイトからの引用として、折り紙は江戸時代に広く普及した、と伝えている。同協会によると、世界で最も古い折り紙の本『秘傅千羽鶴折形』が江戸時代に出版されているそうだ。

 伝統的なアートのイメージが強い折り紙だが、ハイパーアレジックとアートネット・ニュースが着目するとおり、研究は日々進んでいる。「折り紙は古めかしいアート(技術)だと思うでしょうが、今も新しいものが案出されています。数学的なツールを使用することで可能になりました」とトリーズ氏は述べる。ここ40年間で、折り紙は本格的な数学的解析のテーマになっているという。

 折り紙の発想と、現代のテクノロジーを統合することへの関心が高まっている、とNASAは伝えている。ハイパーアレジックは、折り紙はすでに、車のエアバッグから、変形するロボット、人体組織工学に至るまで、さまざまなテクノロジーにおいて参考にされている、と報じる。

【折り紙研究の注目すべき成果「ミウラ折り」のメリットとは?】
 折り紙研究の注目すべき成果の1つは、三浦公亮(こうりょう)東大名誉教授が考案した「ミウラ折り」だろう。同教授は、宇宙構造物の設計を専門とする。「ミウラ折り」では、縦の折り目にジグザグに傾斜をつけることによって、折り目が重ならずコンパクトになる。また、折り畳んだ一端を引くだけで、全体を一気に開けるという特徴がある。

 NASAによると、この折り方を用いれば、装置の機械的構造が非常に簡素化されるという。1995年には実際に、この折り方を用いた太陽電池が、日本の科学衛星「宇宙実験・観測フリーフライヤ」で展開された。この技術はいまだに開発の初期段階のままだが、現在、小型人工衛星と大型構造物が重視されているので、この折り方が再び脚光を浴びる可能性がある、とトリーズ氏は考えている。トリーズ氏の開発する太陽電池パネルでは、さまざまな折り方が組み合わせて用いられているが、「ミウラ折り」もその中の1つだ。

 折り紙研究の身近な例では、「キリンチューハイ氷結」の缶の幾何学的な凹凸も、この「ミウラ折り」の親戚だ。「ダイヤカット缶」というこの缶の形状も、三浦教授の研究が基になっている。

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(Newsphere編集部)

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