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富士フイルムのインフル治療薬、エボラ新薬として期待 治験例豊富、安定供給…米当局申請ヘ

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富士フイルムのインフル治療薬、エボラ新薬として期待 治験例豊富、安定供給…米当局申請ヘ

 エボラ出血熱が西アフリカで猛威をふるっている。世界保健機関(WHO)の6日の発表によると、4日の時点で死者数は932人、感染者および感染が疑われる患者数は1711人となった。過去最悪のペースで被害が拡大している。

【エボラ出血熱の被害はどこまで続くのか】
 現在までに感染者が確認されたのは、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの4ヶ国である。うち、ナイジェリアを除く3ヶ国は互いに隣接している。またナイジェリアは他国に比べて感染者数が2桁少ない。

 エボラ出血熱は、感染者の体液や分泌物などに触れることによって感染し、現在の拡大はヒトからヒトへの感染が中心的である。確立された治療法がなく、脱水症状を防ぐなど対症療法が行われる。致死率は90%にも及ぶことがあったが、現在、西アフリカでの死亡率は約55%で、早期治療が功を奏しているのではないかと言われている。

【次はどこに上陸する可能性が?】
 ニュースサイト『Vox』によると、エボラ出血熱は、先進国では、これほどは大問題にならないと考えられている。今回のような拡大が起こるのは、下水などの衛生設備、拡大を防ぐための医療環境などが整っていない国だからだ。

 したがって、そのような条件がそろってしまっているアフリカ諸国は、今後、被害が及ぶ心配が大きい。西アフリカのガーナ、トーゴ、コートジボワールといった国々は警戒を強め、WHOと連携して感染防止にあたっている。

【2人のアメリカ人患者に投与された薬】
 エボラ出血熱は治療法のない病気として恐れられてきた。しかし先ごろ、西アフリカで感染した2人のアメリカ人に、実験段階の新薬が投与されたことで、この流れが変わろうとしている。

 ブルームバーグによると、見込みのある治療薬がいくつか、今ようやく研究室から現れ出ようとしているところだという。アメリカ人患者に投与されたのはその中の1つ、マップ・バイオファーマシューティカル社が中心となって開発した「Zマップ」だ。ニューヨーク・タイムズ紙が詳しく紹介している。

 まず、Zマップは、ワクチンによって体内で免疫系に抗体を産出させるのではなく、直接、抗体を患者に投与する「受動免疫療法」薬だ。抗体は、マウスをエボラウイルスのタンパク質に接触させ、産出させたのちに、ヒトが拒絶反応を起こさないよう遺伝子操作される。そしてその遺伝子を、タバコの遺伝子に組み込み、葉の中で抗体を生成させるというのだ。またZマップには他社の開発した抗体も組み合わされている。

【安全確認の終わっていない薬でも使用するべき?】
 Zマップは、エボラ出血熱に感染させたサルを使って試験が行われ、有効性が確認されたが、ヒトを対象とした臨床試験はまだ行われていない。始まるのは来年の予定だったという。そのような段階で患者に投与されたZマップだったが、幸い、患者には症状の改善が見られたという。ただし、それがどれほどこの薬の効果によるものなのか、結論するのは時期尚早だと、ある専門家は語っている。

 それでも、新薬に対する期待は非常に大きい。1976年にエボラウイルスを発見したピーター・ピオット博士ら、3人のエボラの世界的権威が、Zマップを含め、現在試験中の新薬・ワクチンを、西アフリカの人々が使えるように手を打つべきだ、とする提言を行った。アルジャジーラが伝えている。通常であれば認められないことだが、それほど事態が切迫しているというのだ。そして博士らは、WHOがその旗振り役になるべきだと主張している。

 WHOは来週早々に、医療倫理の専門家を集めて、試験段階の薬を西アフリカで使うことの是非を検討するという。

 しかし、Zマップは試験の途中の段階であり、貯蔵量は極めて少ない。また、タバコの葉を使って製造するというやや特殊な方法のために、すぐさま増産が効くわけでもない。関係者によれば、大量生産が可能になるのは半年後だと、ニューヨーク・タイムズ紙が伝えている。

【日本発の薬がエボラ治療薬の本命になる?】
 いま、エボラ新薬として最も期待されているものの1つが、富士フイルムグループの富山化学工業が開発した「ファビピラビル」だ。

 ファビピラビルはインフルエンザ治療薬として開発された。他の薬が効きづらい鳥インフルエンザに対しても効果があるため、パンデミックを防ぐための備蓄薬として、日本では3月に製造が承認されている。動物試験で一部副作用があったことなどから、一般的な季節性インフルエンザの治療薬としては認められていない。ブルームバーグによると、富士フイルム側は試験を続けており、一般薬としての販売許可を得るため、当局と議論中だという。

 アメリカでもインフルエンザ治療薬として治験が進められており、すでに最終段階だった。この治験には米国防総省が1億3850万ドル(約142億円)の資金を提供している。インフルエンザ対策を国防の一環として捉えているためだ。

 エボラ治療薬としての効果は、マウスでの試験例が今年2例あるほか、現在、国防総省の肝いりで、サルでの試験が進められているという。試験の暫定的な結果は9月中頃に得られる予定で、その後の審査も迅速に行われる見込みだ。

 ファビピラビルの有利な点は、インフルエンザ治療薬として、ヒトでの治験例がすでに豊富なことだ。ヒトでの試験がまったく行われていない他の新薬よりも、安全性が高いと言えよう。また、備蓄薬として考慮されているので、安定供給体制を構築していくと富山化学工業がうたっていることも大きい。

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(Newsphere編集部)

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